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リゾート前のめりを危惧する

自然環境、景観保全最優先を

■ホテル日航の6軒分に相当

 個々の記事では伝わらないことがある。リゾートホテル等の開発にかかる報道である。全体像が見えない。

 過去の、特にここ数カ月の本紙報道からカウントしてみる。

 現在、建設が進むのは新川舟蔵のグランヴィリオリゾート石垣島(総客室数100室)、登野城にWBF石垣島(61室)、桴海太田の共立メンテナンス社リゾートスパ仮称ラビスタ石垣島(86室)、着工したのが美崎町のホテルミヤヒラ新館(95室)。これだけで、すでに342室。

 次に、開発構想中なのが、宮良のユニマット社の富裕層向け高級リゾート「アラマンダ石垣」(310室)。同社が手掛けるホテルでは国内最大規模。

 白保では石垣島ホテル&リゾーツ(201室)、川平では世界最大の米ホテルチェーン・マリオット社が、アジア最大級のプールをもつ「マリオットリゾート&スパ イシガキジマ」(360室余)を計画。

 また、ユニマット社は前勢岳北方でゴルフ場付きリゾート「石垣リゾート&コミュニティ」で11階建てホテル1棟、ヴィラ(88戸)も計画している。

 構想中だけでも959室となり、前勢岳北方のホテル室数を合計すると1000室を超えるのは明らか。建設中を含めると1400室近くとなる。既設のホテル日航八重山を六つ、建設するのに相当する。

 このほかにも富裕層を対象としたホテル・ヴィラの開発構想が2件進んでいると聞く。もはや過剰ではないか。

■現実直視の対応が必要 

 昨年の八重山観光は、過去最高124万8000人余を記録した。国内客の伸びが7.5%増に対し、クルーズ船などの国外客は31.3%増、27万人余と急増しており、追い風となっている。

 入域客の2割は宿泊しないクルーズ観光という現実を直視した対応が必要だ。

 業界では、誘客強化で17年入域客の目標を昨年比5%増の131万人に設定している。中山市長も「グレードの高いリゾートを推進する」と強気だ。

 観光は豊かな自然環境や景観、伝統文化によって支えられている。リゾート開発が自然や景観を破壊するようなことがあってはならない。

 先の開発計画・構想のうち、いくつかについては、すでに地域から自然環境への懸念が示され説明会開催等の要求が出ている。反対運動につながるかも知れない。

■地域の声を無視するな

 最も懸念すべきは、石垣市がこれら開発計画への協力姿勢を明らかにしていること。すでに複数の計画に対して農振除外の手続きをとったことはその表れだ。

 ことに川平公民館は、2014年9月に集落北方のホテル計画に対し、農振除外をしないよう石垣市に要請した。にもかかわらず、市は地域より事業者の求めに応じた。

 また、同公民館は先月下旬、市に対し景観計画で定める建物の高さ上限7㍍以上に高層化される可能性があるとして、現行上限を維持するよう要請した。「川平の景観を損ねる」が理由である。

 市はどう判断するか。すでに本年度中の景観計画見直しを予定しているという。いったい誰に向いた政治なのだろう。市民か、事業者か。地域の声を無視してはならない。

 前勢岳北方のゴルフ場開発についてもしかり。すでに中山市長は「ハードルをクリアできるよう」協力を約束している。 

 ラムサール条約登録湿地アンパルの環境保全に影響はないのか。懸念は大きい。バブル再来、乱開発はあってはならない。今こそ立ち止まって考えたい。

 あまりものリゾート開発への傾斜、前のめりを危惧する。

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