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「非正規」の待遇改善なるか

今国会に同一労働同一賃金関連法案提出へ

■政府がガイドライン提示

 20日に通常国会が召集されるが、同国会に正規社員と非正規社員の待遇差を改善する「同一労働同一賃金関連法案」が提出される見込みだ。昨年12月20日に示された政府のガイドライン(指針案)では、同じ待遇にしなければならないケースと格差が容認されるケースが例示された。これが具体的に法案にどう反映され提出されるのか、労使双方ともに大きな変革となるものだけに審議の行方を注目したい。

 ガイドラインでは基本給、手当、福利厚生の3分野に分けて契約や派遣、パートで働く非正規社員の処遇について具体的な基準を示した。

 その中で基本給は仕事内容、責任に応じて正社員と非正規社員の格差を容認したが、昇給と賞与は非正規にも支給を求め、業績などの貢献に違いがあればそれに応じた支給を認めた。

 通勤手当、時間外手当、役職手当、深夜・休日手当、出張旅費、食堂・休憩室の利用、慶弔・病気休暇などの手当や福利厚生関係は待遇差を認めず、原則同一の支払い・処遇を求めた。

■非正規にも賞与や昇給明記

 ただし格差を容認した基本給も職業経験、能力、勤続年数、業績など各観点が同じなら正規・非正規にかかわらず同一賃金とするよう求め、さらに派遣社員については派遣先社員と職務内容や配置の変更範囲などが同じなら派遣会社は同じ賃金、福利厚生、教育訓練を実施すべきだとした。

 一方でガイドラインは企業コストが大幅に増える退職金や住宅手当には触れず、待遇差に関する企業の非正規社員への説明責任も課題として残った。

 同一労働同一賃金は、15年に野党の提案を効力の伴わない法案に自民と維新で修正可決された。それがあらためて出てきたのはアベノミクスと参院選対策がある。首相はアベノミクスで企業がもうかるようにすれば企業の業績が上がって賃上げし、それで個人消費が増える。そして景気好転で企業の業績がさらに上がることを期待した。

 ところが大企業に恩恵はあったが、中小の賃金は上がらず逆に物価高で個人消費は低調。そこでアベノミクスの失敗を追及されないよう夏の参院選対策で出てきたのが、非正規労働者の賃金を底上げするこの同一労働同一賃金と最賃上げ、企業への賃上げ要請だ。

■また骨抜きにされる懸念も

 さすがに大企業優先の安倍首相も非正規労働者の待遇が改善され所得が増えなければ個人消費が伸びず、経済活性化も社会保障の安定もおぼつかないことを痛感したわけだ。

 全国の非正規労働者は38.2%だが沖縄は全国ワーストで44.5%とほぼ2人に1人。非正規の賃金は正規の約6割弱であり、賞与を支給している事業所は約4割。その額も4万円程度と低く、その低い賃金水準が沖縄では母子家庭を中心とする子どもの貧困など全国ワーストの貧困になっている。

 それだけに非正規労働者側からは同法への期待は高い。一方で人件費の負担増を嫌がる経済界からの反発で法案が15年の野党案のようにまた骨抜きになる懸念や正社員の賃金が引き下げられる懸念も少なくない。実効性を高めるためには負担増を強いられる企業側にも政府は当然配慮があるべきだ。

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