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堅調に伸びる八重山観光

課題解決ひとつずつ

■過去最高は確実視

 八重山観光入域が堅調に伸びている。県八重山事務所のまとめによると、11月までの入域観光客数は114万8000人を超え、過去最高を記録した14年の年間客数112万人をすでに超えた。

 16年1年間では初めて120万人超の大台を記録するとみられている。観光消費推計も11月までで730億円を超え、初めて700億円を突破した。喜ばしいことである。

 沖縄県全体でも16年は初めて800万人の大台を記録することが確実視されている。数字を押し上げる要因は外国人観光客の増加。台湾、中国、香港など近隣の国・地域から約200万人が訪れた。

 石垣島でも外航クルーズ船が1年間で95隻が寄港、25万4000人が入域した。ことしは約170隻が見込まれている。

■受け皿の拡大が急務

 当然、課題も多い。特に、クルーズ観光は受け入れ態勢が追い付いていない。昨年の特徴は、石垣港に接岸できない10万㌧級の大型船が20回寄港したこと。沖泊まりで7万2000人をテンダーボートで送客した。

 南ぬ浜町で整備が進められている専用バースは、18年度末に一部供用開始が予定されているが、5万㌧級のクルーズ船を対象としているため大型船に対応できない。

 昨年5月には大型船を含む2隻が同時入港、約4000人が上陸し、観光バス、タクシーがフル稼働した。市街地からタクシーが消えたと言われるほど交通輸送の課題も明らかとなった。

 市街地や商店街、スーパーやドラッグストアにも外国人客が多数訪れたが、サービスの質を落とさず対応できたか、言語対応は十分だったか懸念が残る。Wi-Fi充実も急務だ。

 観光業界としては、早くもことしの受け入れを懸念し「去年以上の対応は限界」との意見も出ている。懸念は当然のことだ、昨年の1.8倍の寄港になるのだから。

 一方で、クルーズ観光がいつまで続くか不安もある。すでに「爆買い」は影を潜めた。近隣諸国と良好な関係を築かなければ、人口20億人を擁するアジアの巨大マーケットとはいえ、先行きは見通せない。国家間の対立など愚の骨頂だ。

 これらの課題を一挙に解決することは困難である。しかし、堅調に伸びる今こそ一つ一つ解決していく努力が求められるべきだろう。

■腰を据えた取り組みを

 観光は地域のリーディング産業である。県の発表によれば、15年度の旅行・観光の経済波及効果推計が、調査開始以来初めて1兆円を超えた。

 前回調査の12年度は767億円で、約1.5倍と大幅に伸び、消費額のうち県外に流出しない直接効果分は88%という。

 県産品のお土産など、県内産業の自給率アップや雇用の質の向上、あるいは地産地消の追求などが引き続き課題だろう。

 八重山でも業界全体の受け入れ態勢整備により直接効果を引き上げていくことは不可能ではない。

 こちらも好調を続けるJA石垣牛の枝肉販売額は、前年比3割増の10億円を超えた。明らかな経済効果である。

 東京五輪・パラリンピックの年、20年には那覇空港第2滑走路が完成する。石垣市の観光入域目標は同年に150万人。

 島々の豊かな自然や伝統文化があって初めて成立する産業だけに、軸足を地域に置いた対応が求められる。腰を据えて取り組むしかない。

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