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三が日の八重山は冬を忘れたように気温が上がり…

 三が日の八重山は冬を忘れたように気温が上がり、海で泳いだ人もいただろう。台湾も好天だったので気持ちはわかる。ただ、どんなに暑くても泳ぐのをためらってしまう海もある。南風見田の浜である▼昨年12月3日に忘勿石之碑保存会長の平田一雄さんが亡くなった。83歳。毎年8月15日に南風見田の同碑で行われる慰霊祭を準備するなど中心的な役割を担ってきた▼南風見田は、戦時下に波照間を離れることを余儀なくされた人たちが悲劇に見舞われた場所。取材のたびに平田さんと一緒に歩いたものである▼移動と戦争という文脈でみると、同月17日に102歳で亡くなった大谷用次さんも忘れられない。竹富で生まれ、台湾に渡り、一時帰郷した後に今度は南洋群島へ。アジア太平洋戦争で多くの犠牲者を出したテニアンで大谷さんも娘を1人失っている。西表へ渡るのは戦後竹富に引き揚げてからのことである。移動続きの末に大富がついのすみかとなった▼「一つの時代が終わりました」。お二人を見送った西表島から、知人が年明けにくれたメッセージである。悲しむばかりでなく、遺志を引き継いでいくのだという決意がこもる▼去っていった人たちへの敬意を忘れずに生きるには、どのように日々を過ごすべきか。こちらまで心が引き締まった。(松田良孝)

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