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「現物給付」全国に広がる

子ども医療費助成、国のペナルティーが壁

■窓口での立て替えゼロに

 県内各市町村が実施する「子ども医療費助成制度」は現在、診療時に保護者が病院の窓口でいったん立て替え払いし、後日払い戻しを受けるシステムになっているが、それを立て替え払いせずに済む「現物給付」の動きが急速に全国で広がっている。

 県内では初めて南風原町が来年1月から実施の方針を示し、石垣市も早期に実施したい意向だが、乏しい財政状況下で同給付を実現するには国、県の二つの壁をクリアする必要がある。

 まず一つは同医療費助成に2分の1を負担している県の補助要項を、現物給付を可能にするよう改める必要があること。二つ目は各自治体が独自に医療費を助成すれば安易な受診が増大するとして、国が現物給付自治体に国民健康保険国庫補助金を減額するペナルティーを科しており、同措置の廃止が特に財政負担面から大きな壁だ。

 そのため南風原町議会も去る9月議会で国・県に対し、子ども医療費の「現物給付」に協力を求める意見書と要請決議を全会一致で可決した。

■重症化防ぎ医療費を抑制

 石垣市も実施している現在の「自動償還」システムだと、後日払い戻しがあるとはいえ、保護者は一度窓口で医療費を支払う必要がある。しかし困窮世帯の中には手持ちがなくて受診を見合わす人も少なくないはずだ。それがその後重症化につながれば一体何のための助成制度かということになる。

 現物給付になるとその窓口での支払いの必要が全くなくなり、物心両面から親の負担が解消される安心感は子育て支援、子どもの貧困対策、少子化対策の面からも大きい。そして適切な診療で重症化にも歯止めとなり、結果的にむしろ医療費の抑制になる。

 そういうペナルティーがある中で全国では「現物給付」が2015年度現在38都道府県に広がり、むしろ実施していない県が沖縄をはじめ鹿児島、長野、奈良など少数だ。それはそれだけ各自治体が早急な支援の必要性に迫られているということだろう。そのため全国知事会や市長会、町村会もペナルティーの廃止を求め、経団連は中卒までの窓口負担免除を求めている。

 確かに各自治体の「現物給付」を阻む国のペナルティーは、子育て支援や子どもの貧困、少子化対策に逆行しており、直ちに廃止されるべきだ。

■市の通院も中卒まで拡大を

 このペナルティーに関しては厚労省も年内の見直しを示している。それだけに石垣市も、現在県から2分の1の助成を受けて約7000万円で医療費無料化を行っているが、今や「現物給付」は全国的な流れであり、議会で決議し早急な実現を求めるべきだ。

 ところで就学前までとなっている石垣市の通院助成をまず中学卒まで拡大を望みたい。入院は県内すべての市町村が中卒以上とし、高卒まで対象も与那原、金武、多良間など6町村ある。

 一方通院は名護市や竹富町、与那国町など14市町村が中卒までを対象とし高卒も金武町、多良間など5町村ある。入院は全国的に高卒までが2割弱まで増え、通院も中卒までが主流となっている。石垣市も入院、通院とも対象拡大で子ども支援を充実したい。

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