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自然と文化と自衛隊問題

他人の資料で判断するな

 ■受賞を喜ぶ

 文化の日に第32回八重山毎日文化賞の発表が行われ、正賞に八重山古典民謡の普及発展に功績のある民謡歌手の宮良康正氏、広い視野で八重山研究・保存に寄与した琉大教授山里純一氏、特別賞には地域の文化歴史の掘り起こしに尽力した小濵勝義氏、奨励賞は阿利よし乃さんが受賞した。長年の研究やさらなる研究に期待し受賞を喜びたい。

 文化は英語で言うとカルチャーである。

 カルチャーの語源は「耕す」を意味するラテン語で、土地を耕すことであった。英語に用いられるようになると「心を耕す」意味が加わり西洋では精神を耕すことで文明とは区別される。

 八重山は祭祀(さいし)や芸能が盛んな文化の島である。それを生み出したのは美しい自然であった。その自然環境は復帰後の大規模な土地改良事業に始まり、現在の大型リゾートで山中や海岸線まで開発され自然環境は悪化の一途をたどっている。2カ所のゴルフ場建設計画、そのうえ自衛隊配備計画だ。自然環境のさらなる悪化が懸念される。

 ■公開討論会の背景

 自衛隊配備をめぐり先月28日、石垣市が公開討論会を開催した。

 9月議会で野党側から「住民の声を聞け」との指摘を受けてのことだが、市長が反対団体の要望を受けて名称を変更し、防衛省を抜きにしてまで開催にこだわった理由は何か。

 2度にわたる防衛省の説明会開催、市議会での配備を求める決議、賛否両派参加の公開討論会開催。これで手続きは踏んだ、民意を受けた市長が判断するのは当然だという算段ではないか。

 だが、防衛省の説明会に住民は納得したのだろうか。市議会の決議も、配備先をめぐる対立を避けようという与党の野合によるものだ。

 公開討論会も、国会議員が参加するなど、石垣市自治基本条例の「市政の主権者である市民が地域の事を考え、(略)市民自治のまちづくりを行う」「自らの地域は自らの手で築いていこう」という「前文」の精神からもほど遠い内容。

 開南など基地建設候補地住民の声も反映されていない。これで市民の意見を聞く討論会などと言えるだろうか。議論が深まったというより、むしろ多くの問題が内在していることを浮かび上がらせたといえる。

 ■市は自ら調査を

 自衛隊配備問題は環境、人権、生活、文化などあらゆる面に波及するはずだ。市はそれらのメリット・デメリットを調査したことがあるだろうか。

 市は9月議会で議員から水源環境問題を問われ、「防衛省が関係法令に従って対応すると思う」と答弁。公開討論会でも、防衛省の資料を配布しただけ。これは防衛省丸投げの職務怠慢ではないか。陸自に関する情報をオープンにしているというが、広報紙での情報提供はいまだにない。

 市長は「防衛省関係者の市長表敬にはマスコミにオープンにしている」と述べている。もし、マスコミ情報しか石垣市が持ちえていないとすれば大問題だ。他人の情報で市の将来を判断することは許されない。自ら調査すべきだ。

 観光基本計画は「恵まれた自然は地域発展の源泉」、観光立市宣言は「文化を守り自然を育てること」と自然と文化が切っても離せないことをうたっている。市非核平和都市宣言の「平和で豊かな自然文化都市」とは何だろうか。

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