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抑止力は「海保」で十分だ

自衛隊配備は「屋上屋を架す」税の無駄遣い

■宮古の保安署が部に昇格

 尖閣諸島の守りは宮古、八重山に自衛隊配備がなくとも海上保安部で十分だろう。それはことし4月、石垣海上保安部に最新型の巡視船10隻を新造して尖閣諸島周辺の警備を専門とする専従部隊が12隻600人体制で設置されたのをはじめ、今月1日には宮古海上保安署を「部」に昇格して現在の巡視船3隻55人体制を9隻200人と増強が進み、さらに補正予算や来年度予算で一段と警備体制が強化されるためだ。

 宮古、八重山に自衛隊配備を求める人々は中国に対する「抑止力」を強調するが、尖閣諸島周辺では4月以降石垣海上保安部の最新型巡視船を4隻以上最大10隻の大型船団に増強して連日24時間体制で中国船を監視。加えて那覇の十一管本部でも新型ジェット機3機を導入して24時間体制で空からにらみを利かしており、自衛隊を配備しなくとも中国への抑止力は十分だろう。

 それをあえて自衛隊を配備するとなれば、それは「屋上屋を架す」巨額の税金の無駄遣いであり、何より海保の警備に比べ軍事衝突の危険が増す自衛隊配備は即刻やめさせるべきだ。

■隙のない海上保安体制

 石垣海上保安部の専従部隊は、それまで大型巡視船3隻、中・小型巡視船艇3隻の約200人が大型12隻の600人余に増強されたもの。新造の10隻は従来の1000㌧級から1500㌧級に大型化され、新たに20㍉機銃や放水能力を増した遠隔放水銃、防弾装置、暗視装置、高性能レーダー、停船命令表示などを装備した新型。1隻当たり建造費は57億円ともいわれる。

 他管区の大型巡視船を改修した2隻はいずれも4000㌧級で、40㍉機銃を装備しヘリも搭載する駆逐艦に匹敵する大きさと装備を誇る最新鋭船。

 2012年9月の国有化以降、尖閣の警備に当たってきた全国の巡視船12隻は、専従部隊創設で地元に戻っているが、万一の場合は再び応援に回るため尖閣警備は実質24隻体制だ。

 さらに政府は尖閣や沖ノ鳥島などの離島・遠方海域の警備強化のため、補正予算や来年度概算要求でも新たに6500㌧級と6000㌧級のヘリ搭載型大型巡視船3隻の新造、海洋監視能力強化のための新型ジェット機導入や測量船建造費などを計上。その中には部に格上げした宮古海上保安部の訓練施設や同保安部に配備する巡視船3隻の新造と専従部隊創設に伴う石垣の職員宿舎建設費なども含まれている。

■市民を防人にするな

 いわば尖閣などの領海警備は、防衛省が一方的に主張する「隙間のない防衛力」が必要ないほどに陣容、装備とも「隙のない海上保安体制」が進んでいる。それをあえて市民を戦争に巻き込む恐れのある軍隊を、石垣に配備する必要性があるとはとても思えない。

 稲田朋美防衛相はかつて「尖閣に自衛隊を配備して実効支配を強めるべきだ」が持論だった。政権が中国の反撃を恐れないなら反対が根強い宮古、八重山でなく尖閣に配備すればよい。

 安倍政権の安保政策を全面支持する中山市長だが、自民市議と同様、個人の判断で石垣市民を日本国の領土・領海を守る防人(さきもり)として安倍政権に差し出すのはやめてもらいたい。

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