八重山諸島のニュース・石垣島・竹富島・西表島・新城島・小浜島・鳩間島・黒島・波照間島・与那国島

エントリー

スジアラを完全養殖 世界初、国立水産研が成功

完全養殖のサイクル

完全養殖のサイクル

新産業創出へ期待 市取り組みにも弾み

 国立研究開発法人水産研究・教育機構は28日、養殖研究に取り組んできた高級魚のスジアラ(アカジン)について、人工飼育で生まれ育った雄雌から稚魚を生産する完全養殖に世界で初めて成功し、2万9000尾の稚魚を育てたと発表した。これにより、天然スジアラの保護、安全・安心な養殖スジアラの提供が期待されるとしており、石垣市が検討を進めている陸上養殖に大きな弾みがつきそうだ。

 同機構は1985年にスジアラの養殖研究を開始。2009年には天然の親魚から30万尾以上の種苗の量産に成功するなど安定生産を確立してきたが、天然魚に頼らない完全養殖の技術開発が課題となっていた。

 今回、人工飼育で育ったスジアラの雄個体と雌個体を成熟、交配させ、ことし6月10日に初めて受精卵の採取に成功。7月28日にはこの受精卵から全長32.9㍉の稚魚2万9000尾を生産した。生存率は24.2%だった。

 完全養殖の成功で、市場価値の高い赤い体色や早い成長といった有利な形質を備えた系統を選抜でき、天然魚で養殖を行っている台湾やオーストラリア、ベトナムなど他国との差別化が可能に。さらに、養殖の工程をすべて人為的に管理できることから、安全・安心な養殖魚を提供できるという。

 同機構は今後、完全養殖されたスジアラを用い、1万尾単位で出荷サイズ(500㌘)になるまで試験養殖を行い、養殖にかかるコストを算出したり、試験出荷を行ったりして産業として成り立つかどうか検討する。

 石垣市は13年12月から2年間、同機構の技術協力を得て八島町の種苗供給施設で行ったスジアラの試験養殖で出荷サイズ以上に成長させており、「完全養殖された種苗を陸上養殖の次の展開につなげたい。陸上養殖に関する水産関連の補助メニューはないか、新たなメニューがないか検討していきたい」(平良守弘水産課長)と期待する。

 スジアラは中国市場で高値で取引されており、民間企業の調査では中国への出荷量は13年で年間4000㌧。ただ天然魚で賄われているため、資源の減少に伴って供給量が毎年不足。同機構では、完全養殖技術を用いれば資源にも優しい新たな養殖産業の創出につながる可能性があるとしている。

  • タグ: スジアラ(アカジン)国立研究開発法人水産研究・教育機構
  • ※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社八重山毎日新聞は一切の責任を負いません。

    関連するニュース

    • 関連するニュースはありません。

    ページ移動

    キーワード検索フォーム