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最終判断は「住民投票」で

自衛隊配備、与党が数の力で決議強行

■問答無用の数の横暴

 迷彩服を着けた自衛隊員や自衛隊車両が街中を行き交い、将来はオスプレイもうるさく飛行、港には自衛艦や米軍の艦船が出入り、基地では何十発何百発ものミサイルが中国に向かってにらみを利かす|。観光客でにぎわう石垣島が早ければ2、3年後にはそういう「基地の島」になりそうだが、市民の皆さんは、子や孫たちの未来のために果たしてそれでよいのだろうか。

 石垣市議会与党の自民党が、9月定例議会最終日の16日、自衛隊配備決議を数の力で強行した。6月議会は党内から造反が出て不発に終わったが、今回可決に成功。いよいよ「基地の島」に動きだしたのだ。

 当然野党から「議論が不十分」と反対があり、与党の公明議員2人も「強引な決議には納得できない。なぜこれほど配備を急ぐのか疑問が残る」と退席したが、「反対派はどんなに説明しても納得しないから」(自民議員)と問答無用の形で決議を強行した。

 確かに議会制民主主義は数だが、しかし問答無用の強行は果たして真の議会制民主主義といえるだろうか。それは約1年前、憲法学者らが「違憲」と断じた「安保関連法案」を強行採決した安倍政権と同じ数の横暴だ。

■「尖閣戦争」はあるのか

 自衛隊配備は、尖閣諸島での中国の脅威に対する「島しょ防衛」や「抑止力」を理由にしているが、確かに中国の公船や漁船が尖閣諸島への領海に侵入を繰り返す状況を見ると、いずれ尖閣諸島が乗っ取られるのではないかと市民の間から漠然とした不安が出てくるのは当然といえば当然だ。

 しかし冷静に見て、世界第2位の経済大国に急成長した中国が、日米との「全面戦争」のリスクをおかしてまで尖閣諸島を占拠する愚挙に出るだろうか。それには多くの識者が否定的だ。

 中国が尖閣諸島に漁船と公船を送り込んでいるのは、あくまでも「中国脅威論」をあおり、南シナ海問題でも中国を批判し続ける安倍政権や米国をけん制。一方で「尖閣の領有権」を主張し、東シナ海の「海洋権益」を守る姿勢をアピールすることで国内での求心力につなげるのが狙いというのが識者らの見方。それを安倍政権はことさらに中国脅威論や自衛隊配備、安保関連法強行などに利用しているというものだ。

■市長は住民投票実施すべき

 議会の決議を受け中山市長は、年内に公聴会を開き、結論を出す意向を示したが、最終的な判断は住民投票の結果に委ねるべきだ。これまでの議会答弁などを聞くと市長は誘致派の主張に終始しており、結論は既に明らかといえるだろう。しかし自衛隊配備は石垣市の将来を左右する重大な問題であり、自衛隊に不安を示す市民は多い。中山市長は「住民投票」を否定せず、新庁舎建設位置同様、堂々と実施してその結果に判断を委ねるべきだ。

 辺野古訴訟の敗訴で住民らは「政府は北朝鮮や中国を脅威というが、沖縄にとっては米軍や自衛隊で軍事要塞(ようさい)化して沖縄を再び“盾”にする日本政府こそが脅威だ」と怒りをぶつけていたが、宮古、八重山の自衛隊配備も国や国防論者の一方的な脅威論に踊らされていないか冷静に考えてみるべきだ。

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