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崩壊する八重山のこころ

市長、市議の倫理、市教委は猛省を

■八重山文化の心

 台風の影響による雨風のなか、市民会館で恒例の「とうばらーま大会」が開催され、会場を埋め尽くすほどの観衆が八重山の叙情歌に耳を傾けた。大会は1947年、戦後の荒廃のなかで始まった。過酷な戦争を生き延び、ウタで復興に尽力し、今日を築いた八重山の人たちの精神文化に触れ、心が洗われる思いであった。

 歌唱の部には19歳から連続14回出場し、晴れの栄冠を手にした今村尚樹さんや、女子高生の伸びのある歌声にとぅばらーまの未来に明るさを感じた。大会は来年70回の節目を迎える。

 しかし平和を希求してきた大会の精神に逆行する問題が石垣市では次々に浮上している。

 自衛隊配備問題をはじめ、中山義隆市長の怪文書問題、石垣市教育委員会の副読本問題などは八重山の精神文化を踏みにじるものであろう。

■中山市長の怪文書

 市議会開始の12日、中山石垣市長が弁護士立ち合いの下、自身に関わる怪文書について会見した。怪文書は市長自身が認めた。女性とのスキャンダラスな4枚の写真と「中山石垣市長の台湾視察出張の夜」との写真説明もある。

 中山市長によれば、市長就任前に民間交流団体の一員として台湾訪問の際、台湾側が用意した2次会で接待を受けているときに撮影されたものという。撮影した人物も覚えている、1期、2期の市長選出馬の時もうわさになり、ことしになって市長室に来て話をされた方がいるとも述べている。これは脅迫なのか、それとも親切心からか。脅迫だとすればなぜ刑事告発しなかったのか。

 中山市長は、被疑者不詳のまま名誉毀損(きそん)で那覇地検石垣支部に弁護士を通して刑事告訴状を提出したという。怪文書とは出所不明のいかがわしい文書で、中傷や暴露的な文書や手紙のことである。政敵や対立者を誹謗(ひぼう)中傷し、相手をおとしめる卑劣な手法だ。

 中山市長は「市長就任前の写真とはいえ、送付された皆さまには大変不愉快な思いをさせてしまい、誠に申し訳なく思っています」と述べたが、全市民にではない。市議時代のプライベートなこととはいえ、市長や市議は石垣市の公人としての倫理的責任があることを忘れてはならない。なぜ今、このような卑劣な怪文書が出回ったのか、犯人逮捕はもちろんだが怪文書の背景に注目したい。

■副読本改訂は必要か

 市の中学生用副読本『八重山の歴史と文化・自然』は、学校指導課が一括交付金事業として2013~14年度に実施された。15年度に配布使用される予定だったが配布されず、その理由は教科書採択選定前の配布は教科書調査委員協議会委員に影響を与えるとのことであった。

 その後、内容の不備等を理由に配本を遅らせた。当時の教育長や編集委員長が副読本発刊の記者会見を行っていたが、やっと16年度になって配布された。当時の課長は「配布が遅くなってしまったが、納得のいく形でいいものができたと思っている。17年度以降も増刷し、配布を継続する計画」と語っている。しかし、議会で慰安婦や南京事件の記述が問題視されると市教委は政治的介入によって一部見直しを検討するという。

 これは教育委員会が旗を振り、侵略戦争を正当化する歴史の歪曲(わいきょく)であり、女性蔑視に加担し、未来を担う子どもたちに教育するという異常事態といわねばならない。市教委に猛省を促したい。

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