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公職者は自ら身を律せよ

政治倫理条例制定への提案

■条例議案ゼロの異常事態

 石垣市議会9月定例会が行われている。その議案に条例案件が1件もない。政策立案能力の低下ここに極まる。そう厳しく指弾されても仕方のない異常事態である。長い間市議会を見てきたが、ゼロ件は記憶にない。

 条例は憲法に定められた自治立法権に基づく自主法であり、地方自治体の政策形成とその実現のための手段である。これを有効に活用するための政策法務強化が求められているときに、条例議案ゼロということは予算案以外に議会に提案すべき政策がないことを意味する。

 執行当局は猛省するとともに、部局ごとに所管する条例の点検を進めてほしい。新たに制定あるいは改廃すべき条例がたくさんあるはずだ。

■清潔で公正な地方政治を

 そこで、遅まきながら政治倫理条例の制定を提案する。

 石垣市は2001年、市民参加の推進と情報共有を進めるため情報公開条例を制定し運用しており、これによって市政の透明性は格段に向上している。

 一方で、情報公開条例と「車の両輪」とされるのが政治倫理条例。公職者である首長、副市長等や議員が、その職責にもとるような行為をしないという証しを立てることによって市民との信頼関係を築くための制度であり、清潔で公正な地方政治を実現するためのツールである。

 現時点で何らかの不祥事や政治腐敗等があって、それを正すために提案するのではない。それらを未然に防ぎ将来にわたって清潔な地方政治を確保するための提案だ。

 さらに、石垣市は職員倫理条例も08年に制定している。公務に対する市民の信頼の確保を図ることがこの条例の目的である。

 つまり、情報公開条例と職員倫理条例によって「行政側には厳しく」、政治倫理条例がないことによって「政治に甘い」と指摘されても仕方のない事態だ。

 公職者には、まずは自ら良心に基づき身を律する「個人倫理」で、この現状を直視してほしい。提案する政治倫理条例が必要か否か、真摯(しんし)に検討いただきたい。

■疑惑をもたれないこと

 政治倫理条例は、その骨子として政治倫理基準を明確に規定するのが基本。列記すると「不正疑惑行為の自粛」。これは「職務に関して不正の疑惑をもたれる恐れのある行為をしないこと」であって、「不正疑惑をもたれたときは自ら解明し、その責任を明らかにしなければならない」と規定される。

 他に「地位利用の金品授受の禁止」「請負等のあっせん禁止」「職務執行への不当介入禁止」「職員採用・昇進等のあっせん禁止」「企業献金の自粛」など、市民から見ればごく当然にあるべき姿を規定しているにすぎない。

 条例はまた、議員の家族も含めて資産報告を課し透明性を確保するとともに、市民の調査請求権、政治倫理審査会の設置など骨子とすることが多い。

 石垣市議会は、ゴルフ場開発や陸自配備請願をめぐり多数会派が分裂するなど波乱要因があるが、そもそも与野党議席数の圧倒的な差によって議論の停滞が指摘されて久しい。

 望まれるのは、主導権争いや少数派無視の議会運営ではない。活力に満ちた議論が市の政策に反映される議会活性化であり、基本たる清潔で公正な地方政治である。条例議案ゼロの機会に提案する。

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