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沖縄のサンゴ 南半球に同集団 黒潮の〝壁〟が分断

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日本周辺に分布するクシハダミドリイシ(下が西表島、上が熊本県天草に生息する群体)。琉球列島と本州の造礁サンゴ集団は違った遺伝的特徴を持つことが明らかになった=国立研究開発法人水産研究・教育機構提供

水産研究機関発表 台湾、本州と遺伝的違い 環境変動予測へ重要知見に

 琉球列島の造礁サンゴ集団が台湾や本州の集団とは違った遺伝的特徴を持ち、南半球のオーストラリア北東岸にあるグレートバリアリーフと同じ集団になることが明らかになったと、国立研究開発法人水産研究・教育機構西海区水産研究所が6日、発表した。これまでフィリピンから台湾、琉球列島、日本列島まで生物を運んでくると思われてきた黒潮に、実は河川のように両岸の集団間の交流を分断する作用があることを示唆しており、サンゴ礁の分布変化の将来予測、沿岸漁場など日本周辺の環境変動予測を行う上で重要な知見になるとしている。

 サンゴ礁の分布は地球温暖化による海水温上昇に伴って北上していく可能性が指摘されているが、造礁サンゴの北限域にどのような種が分布し、琉球列島のサンゴ集団とどのような関係にあるのかよく分かっていなかったという。

 このため、西太平洋に広く分布するテーブル状の造礁サンゴ「クシバタミドリイシ種群」を対象に台湾、琉球列島、種子島・トカラ列島、北限域付近の和歌山・高知・熊本の4海域で遺伝的調査を実施。4海域の18地点から計307群体のサンプルを採集・解析し、遺伝的関係を明らかにした。

 その結果、和歌山・高知・熊本と種子島の造礁サンゴ集団は台湾の集団と同じ遺伝的特徴を持つ近縁で、黒潮を境に琉球列島の集団とは別に分化したことが分かった。琉球列島のサンゴ集団については、太平洋の他地域の集団の遺伝子データと比較解析したところ、6000㌔も離れているグレートバリアリーフと同じ集団になっていることが判明した。

 このことから、同研究所は「黒潮が琉球列島の集団と台湾や日本列島の集団間の移動を阻んでいることを示唆し、黒潮という流れの壁がいかに強力かを示す証拠になった」としている。

 鈴木豪研究員は「本州の温帯地域にあるサンゴは、沖縄から流れていったものと思われていたが、独自の種があることが分かった。地球温暖化とも関係してくるが、サンゴの北上には疑問がある」と指摘した。

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