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「標的の島」になった与那国

陸自沿岸監視隊発足で危険性高まる

■レーダー施設は攻撃の対象

 与那国町で3月28日、陸上自衛隊沿岸監視隊が発足し、隊旗授与式が行われた。沖縄戦以来、与那国島に「軍隊」が配備されるのは72年ぶり。自衛隊の新設基地は沖縄返還後初となる。

 沿岸監視隊は警備小隊、通信情報、後方支援隊、レーダー班、監視班など160人で編成される。式では西部方面総監の小川清史陸将から隊旗が塩満大吾隊長に手渡された。

 小川総監は「南西地域の防衛体制を確立するのは、わが国の防衛の意思を示すものだ」と訓示し塩満隊長は「南西防衛は非常に重要だ。周辺監視、各種事態の抑止と対応のために与那国監視隊が編成された。各種事態に即応することが求められており、部隊として適切に対応したい」と抱負を語った。

 中谷元防衛相は「日本を取り巻く安全保障の厳しさが増すなか、南西地域の防衛態勢の強化を目に見える形で示すものであり、重要な意義を持つ」と述べている。

 部隊は2カ所に設置されたレーダーを中心に与那国島周辺の海や空を情報監視する。設置されたレーダーは、電波傍受装置で中国軍の通信情報を拾うことができ、尖閣有事の際、与那国島は活動拠点になるという。そうなれば、中国軍の反発は必至で、武力事態となれば、与那国島が攻撃を受けるのは避けられないだろう。

■防衛省関係者を副町長に

 外間町長は自衛隊が駐屯したことに「うれしいと同時に複雑な心境」といい、「町民の40%が反対で、説明が不十分だと感じている。隊員や家族が行事に参加し雪解けになって行くと信じている」と述べている。いまさら、説明が不十分だとは耳を疑う。

 武力事態における住民を保護する「与那国町国民保護計画」もいまだにできていない状態だ。自衛隊が戦争(武力事態)の際、町民を守るというのは幻想だ。有事となれば自衛隊は任務に追われ住民保護は二の次であろう。

 町長の責務は町民防衛体制の確立であり、国防ではない。また、外間町長は隊員や家族の交流に期待しているが、自衛隊をめぐり島を2分した溝は深く現状では、逆に宣撫工作としか映らないだろう。

 自衛隊員の移住により町民の15%を自衛隊関係者が占める。選挙ともなれば与那国町のキャスティング・ボートを彼らがとりかねない。人口の少ない島しょの自治体にとっては由々しき問題だ。

 それを承知の上でのことであろうか、こともあろうに外間町長は3月定例議会で政府の「地方創生人材支援制度」を利用し、防衛省職員を副町長とする案を打診した。野党の反対で取り下げられたとはいえ、これは自衛隊城下町への布石で自治の扼殺となりかねない。危険極まる大問題だ。

■石垣島の自衛隊配備も正念場

 自衛隊城下町となれば、人体に影響があるといわれる電磁波の問題や平和教育などさまざまな問題への影響も懸念される。

 原発所在地における原発批判が封殺され、反対派を排除する工作が行われている。

 与那国町の島共同体社会で、自衛隊への依存度が高まれば高まるほど、自衛隊についての自由な意見や発言ができなくなることが危惧される。

 自衛隊は配備されたが「標的の島」として与那国町の危険性はより高まったといえる。「歌と情けの島」に迷彩服が闊歩(かっぽ)する風景は異常に映る。歴史の教訓は軍隊と住民は共存できないということだ。国境の島に武器を持つ集団の風穴が開いた。石垣市への自衛隊配備もいよいよ正念場を迎える。

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