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島嶼に自衛隊必要ない

「配備で市民の生命財産守れる」は幻想

■防衛省、計画の詳細伏せる

 防衛省の若宮健嗣防衛副大臣が先月26日、中山石垣市長を訪ね石垣島への陸上自衛隊の配備を伝えた。自衛隊配備計画については南西諸島の防衛強化と称して中期防衛計画(14~18年度)に配備を予定していたが、沖縄県知事選挙を控え延期されていた。防衛省は次期中期防(19~23年度)中に整備を目指すという。

 配備計画によれば陸上自衛隊警備部隊、地対艦・地対空ミサイル部隊500~600人規模の部隊だという。自衛隊基地は島の中央部、開南集落から西方約500㍍の平得大俣地区の市有地が予定されている。防衛省は基地の面積や規模を明らかにしていないが宮古島の21万平方㍍並みとすれば、於茂登岳前西方一帯はほとんど基地となる。

 石垣島配備は離島攻撃や大規模災害時の初動対応が目的という。先月26日、石垣島自衛隊配備推進協議会(三木巌会長)が石垣市議会に「石垣島への陸上自衛隊配備を求める請願」を提出した。それには「自衛隊の配備によりあらゆる脅威から市民の生命財産を守ることができ、わが国の切れ目のない安全保障体制が構築される」とある。自衛隊は要請文のように市民の生命財産を守ることができるだろうか。

■有事の住民避難は困難

 『平成27年度防衛白書』は「島嶼(とうしょ)部攻撃に対応するため部隊を配備、平素からの情報収集や監視により兆候を早期に察知し、陸海空が一体となり機動的に展開し、敵の侵攻を阻止・排除する。前兆がなく島嶼を占領された場合、航空機や艦艇による地対射撃により敵を制圧した後、陸自部隊を着上陸させるなど島嶼奪還のための作戦を行う」という。離島奪還作戦のため自衛隊は米海兵隊と大規模な訓練をすでに実施している。

 このような大規模な離島奪還作戦計画は住民保護を前提とすべきだが、『防衛白書』は「自衛隊は武力攻撃事態においては、主たる任務である武力攻撃の排除を全力で実施」し住民対策は「これに支障のない範囲」としかない。外敵対処が第一任務であり、住民保護など眼中にない。 

 宮古島市で有事の避難計画を問われた自衛隊出身の参院議員は「宮古島から5万人避難は生半可じゃない」と語ったという。住民保護計画は総務省が窓口であるが、県や石垣市の「国民保護計画」は、武力攻撃事態(戦争状態)に住民をどうとらえているのか。

 「石垣市国民保護計画」は島内、島外避難、県外避難を想定している。近代兵器が飛び交うなか島内避難など困難であろう。

■与那国も国民保護計画なし

 戦争において港湾や飛行場が攻撃の標的であることはいうまでもない。そのとき船舶や飛行機が確保できるか疑問である。県全体が戦渦のなかを島外、九州など県外へ避難することは全く不可能といえる。住民を挟み撃ちする離島奪還作戦となれば万事休すだ。

 自衛隊基地建設が進む与那国町では「国民保護計画」はいまだに作成されていない。当然だろう。小さな島において住民の避難場所などあるはずがない。自衛隊幹部さえ住民避難が困難と認めている。

 市民の生命財産を守るというなら自衛隊も石垣市も具体的な保護計画を示すべきだ。国防、外交は国の専権事項というが、では地方自治とは何か。市民の生命財産を守ることだ。市長や市議が考えるのはそれだ。自衛隊配備で市民が守れるというのは幻想でしかない。国民保護計画など嗤(わら)うべきものだ。このままでは戦を招く自衛隊配備は必要ない。

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