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「宿借り行政」に終止符か

「西表移転」に大きくかじを切る竹富町役場

■過半数が「西表」選択

 これで77年に及ぶ「ヤドカリ(宿借り)行政」から脱却して本来あるべき町内に役場を置くことができるか。さらに西表島に初の移転決議以来、半世紀余にわたる議論と“政争の具”に終止符を打つことができるか。

 築46年の老朽化した竹町役場の新庁舎を現在の「石垣市内」で建て替えるか、「西表大原」に移転新築するかを問う初の住民投票は、30日に開票が行われ、「西表大原」への移転が1459票で「石垣市内」の1140票を319票を上回り、過半数を占めた。

 この結果を受けて役場移転を公約に掲げてきた川満栄長町長は早速、「反対意見にも丁寧に応え、民意に沿って行政運営を進めていく」と西表大原での役場建設推進を表明した。

 町は本年度中に役場移転基本方針検討委員会(仮称)を発足させ、来年度に基本設計と実施設計を策定、17年度の着工を目指し、今月11日開会の12月議会から役場移転に向け動きだす。

 しかし投票者の約44%1000人余は「石垣市内」での存続を求め、さらに議員も数人が依然反対を明言し、実現へのハードルは高い。町の長年の懸案が解決できるかどうかは川満町長の熱意と手腕にかかっている。

■課題山積の西表移転

 この住民投票の結果は予想できたことだ。有権者数は移転先の西表地域が鳩間、新城を含め全体の57%を占めて竹富や黒島、小浜、波照間など他の島々の総数を上回っており、そのため最初から勝敗は決まっていると「不公平」を指摘する声があるなど違和感もあったが、逆にみれば過半数を占める町民がいるからこそ西表に役場があるべきともいえる。

 結果は予想通り西表東部公民館連合会が、「第一関門をクリアした。次は議員が頑張る番だ」といよいよ役場移転の悲願が動きだすことに万歳を三唱して喜ぶものとなった。

 その西表にとって第二の関門は議会だ。地方自治法では庁舎の設置場所を変更する条例改正は、議会で出席議員の3分の2以上の同意が必要。これに対し竹富町は定数12人で8人以上の同意が必要だが、西表出身が7人の議会は、8人が住民投票の結果を尊重するとしたものの、投票後慎重な言い回しに変化した議員もいて成立は微妙だ。

■成否のカギは何か

 それだけに住民投票結果は法的な拘束力があるものでもないため、2004年の石垣市との合併の是非を問う住民投票のように、賛成の結果が議会で覆される可能性は否定できない。

 そこで何と言っても西表移転の成否のカギを握るのは「石垣市内に役場があったほうが買い物や病院などの用事もできて何かと便利」などという移転反対の声にどう応えるかだ。

 川満町長は新庁舎のあり方検討委の提言も受けて、石垣の支所や各島の出張所でこうしたサービス機能を維持向上させたいと新たな行政システムと住民サービスの仕組みづくりで誠実に応える考えを示しているが、果たしてそれをどこまで具体的に提示できるか。  それによって議会や反対住民の対応も変わってくるだろう。丁寧な対応がなければ住民の不安は解消できないし、長年の懸案も元の木阿弥だ。

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