東大海洋研渡辺助教授 海中濃度調査を指摘
【那覇】船底塗料や農薬に使われるジウロン(DCMU)など人工化学物質が、サンゴの生育に悪影響を及ぼすとの研究結果を東京大学海洋研究所の渡辺俊樹助教授がまとめ、24日県庁で発表した。除草剤として農薬に使われるジウロンの量は沖縄県が全国一多いが、海中濃度に関するデータはなく、渡辺助教授らは調査の必要性を指摘している。
渡辺助教授は今年7月初旬、有機スズ(TBT)、ジウロン、ジクロルボス(DDVP)の三種類の化学物質の影響を調べた。稚サンゴを10日間、濃度を変えた化学物質にひたした結果、ジウロンでは一グラムの100万の一の量で10|20%、十倍の量で20|30%の割合で褐虫藻が減少した。植物の光合成を阻害するジウロンの働きが褐虫藻にも出る結果となった。
ジウロンは現在使用禁止となっているTBTの代替物質。船底塗料やサトウキビ・パインの除草剤として利用されている。沖縄では海中の濃度データはないが、別の研究者が西日本の13府県で行った調査によると五県で今回の実験結果で影響の出た濃度以上の検出値が出ているという。
今回の研究は世界自然保護基金(WWF)ジャパンが本年度から研究者と共同で取り組んでいる「南西諸島における野生生物の有害化学物質調査」の一環。琉球大学で25日開かれる日本サンゴ礁学会で報告される。
渡辺助教授は「実験期間を長くすると、もっと低い濃度で影響が出ると考えられる」と指摘、会見に同席したWWFの安村茂樹氏(化学物質担当)は「国や県にモニタリング実施を実施してもらうよう取り組む」と話した。
コメントしてください。(
)