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「八重山文化」が復刻 瀬名波氏、祖父の蔵書もとに発刊

瀬名波氏が保管してきた「八重山文化」の原本(手前)と復刻版3冊(奥)=6日午後、瀬名波氏宅

瀬名波氏が保管してきた「八重山文化」の原本(手前)と復刻版3冊(奥)=6日午後、瀬名波氏宅

「八重山の戦後研究に」 約70年前の文芸誌 宮良長包の貴重な楽譜も

 戦後の八重山で発行されていた雑誌「八重山文化」の復刻版がこのほど発行された。八重山文芸は1946年7月から50年3月に八重山文藝協会と八重山文化社が郡内で毎月約500部を出版。廃刊までの全39冊を、元高校教員の瀬名波長宏氏(77)=石垣市登野城=の祖父、長宣氏が所蔵していた原本をもとに、不二出版(東京都)が復刻した。瀬名波氏は「復刻版が八重山の戦後を研究する研究者の役に立てばうれしい」と話している。

 「八重山文化」は、詩や俳句、短歌など八重山の文化界を担っていた大濱信光、古藤実富、村山秀雄、喜友名英文、大浜英祐、伊波南哲、宮良信成らが執筆。発行当初は隔月発行の予定だったが、読者の要望に応えて月刊で発行されていた。

 今回の復刻事業は2009年に企画が立ち上がり、11年から5年かけて発行に向けた作業が進められた。瀬名波氏は「非常に良い企画をしていただいた。子どものころに読んでいた『八重山文化』は戦後の野球やスポーツのことも書かれており、当時のことを知る素晴らしい雑誌。紙もない時代に紙をすいて作ったこともすごい」と喜んだ。

 八重山文化協会の砂川哲雄氏(69)=同=は「戦後、精神的な食料として、八重山の文芸復興の先駆となった『八重山文化』は八重山の戦後史を研究する上で目を通さなければならない地方資料のひとつ。瀬名波家所蔵の文書をもとに復刻したことも画期的だ」と復刻の意義を強調した。

 瀬名波氏の所蔵文書からは07年にも貴重な資料「沖縄教育 4月号」や宮良長包氏の未発表曲「献穀田田植歌」の楽譜が発見されており、砂川氏は「瀬名波長宣氏が収集していた資料を孫の長宏氏が大切に保管していたことが地方資料を発掘する上で非常に大きな意味を持っている」としている。

 復刻版はB5判2冊とA5判1冊の3冊で計1350ページ。定価6万9000円(税抜き)。発行70部。ジャーナリストの三木健氏による解説の別冊も発行している。

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