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願いは「尖閣諸島の平穏」

ー戦後70年、戦時遭難者遺族会が外交努力要望ー

 ■遺族会が自衛隊反対を表明

 

 戦争マラリアと並んで“もう一つの八重山戦の悲劇”と呼ばれる「尖閣列島戦時遭難事件」の慰霊祭が、米軍機の機銃掃射を受けたとされる70年前の7月3日のこの日に合わせて、市内新川の同慰霊碑で行われた。戦後70年の今年は、参列した遺族らから危うい方向に進む今の政治状況を踏まえて平和への懸念や、外交努力で「尖閣諸島の平穏」を願う声があったとされる。

 遺族会の慶田城用武会長は慰霊祭のあいさつで、防衛省が計画している自衛隊配備について、「安全保障のために石垣島が軍事的標的になることは絶対避けなければならない」と反対を表明。列席の中山義隆市長に対し、「国の専権事項といえども市民の生命、財産を犠牲にしたり、市民の利益に反することは許されない。リーダーシップをもって日本一平和で豊かな石垣市になるようお願いしたい」と求めた。

 確かに市長はわざわざ災いの種を受け入れるべきでないし、この要望に納得の市民は少なくないだろう。

 

 ■国有化で日中対立激化

 

 遭難事件の舞台となった尖閣諸島での日中の対立激化は、2012年9月の日本政府の国有化が大きな要因だ。国有化のきっかけは当時の石原都知事の尖閣購入問題であり、これに真っ先に同調したのが中山石垣市長だ。いわばこれらが中国に現在の強硬姿勢の口実を与える要因になったといえる。

 国有化以来中国は尖閣諸島への領海侵犯を常態化。これを巧みに利用して安倍政権は自らも緊張関係の種をまいていることは棚に上げ、どこがどう脅威なのか十分な説明もないまま中国を敵視。抑止力を大義名分に宮古、八重山など南西諸島で自衛隊配備を進める一方、石垣からの台湾疎開船に機銃掃射を浴びせたかつての敵国米国に従属し、世界のどことでも戦争できるよう軍備増強と法制定を強行している。

 その一連の流れの中で12年8月には超党派の国会議員の「日本の領土を守るため行動する議員連盟」(会長・山谷えり子自民党参院議員)など2団体約150人が洋上慰霊祭などを行い、一部は尖閣にも無断上陸した。

 

 ■市長も対話での解決に同感

 

 これに慶田城会長は「慰霊祭に名を借りた政治利用」と反発の一方、石垣への自衛隊配備などの動きに「さらに日中の緊張関係を高める」として昨年も慰霊祭で中山市長に、「対話で平和的に領有権問題が解決できるよう国に発信してもらいたい」と求めていた。

 市長は自ら自衛隊は誘致しないとしているが、その政治姿勢は6日の衆院特別委で自民公認の市長として与党推薦の参考人に招かれたほどだから、配備を進める政権寄りなのは明白だ。

 市長は参考人質疑で安保法制で抑止力が高まるとしたうえで尖閣有事などに危機感を示したというが、いざ有事となれば自衛隊などの軍事施設が真っ先に攻撃されるのは、過去の戦争で市長も十分承知のはずだがどうだろう。

 そういうリスクを石垣市民に負わせてでも国防を担うのか、あくまで地元に立脚して市民同士の対立やリスクを避け、公約の「日本一幸せあふれる石垣市づくり」にまい進するのか、その決断は中山市長の評価を左右する。

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