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法定外目的税導入は慎重に

成長と負担のバランスが肝要

■税に厳しい視線

 年末の恒例行事となっている日本漢字能力検定協会(京都市)による昨年の世相を表す漢字一文字は「税」となった。はがきやインターネットによる16万人余の応募から決定されたもので、主催者は「消費税が5%から8%に上がり、国民の多くが税に対して厳しい目を持っている」ということではないかと感想を述べた。

 税は国や自治体にとって財政の基本であり、政治、経済そのものである。わが国の経済は国内総生産(GDP)が1995年以降20年の長きにわたり500兆円前後と成長が低迷し、デフレから脱却できず、世界2位の経済大国から、今や世界3位に後退している。

 消費税増税はいったん延期されたが、10%の増税は確実にやってくる。国の税収は金融や経済対策により上向いて、本年54兆円と18年ぶりに回復したが、税率のアップで税収は必ずしも増加しないことを示した。しかし、その間、国債など国の借金は1038兆円、国民1人当たりは817万円となった。 

■さらに多くの負担

 今後、医療・介護・年金・福祉など社会保障費を賄うには消費税を25%に見込む試算があるというから厳しい時代を迎えることになりそうだ。さらに来年から税と社会保障の一体改革として国民全員に番号を付ける「マイナンバー制度」が始まり、本格的な徴税、財源確保に乗り出す。

 少子高齢化、人口減少社会となり、国民の負担感は高まっている。その中で、地域の成長戦略をいかに描くかが極めて重要であることは言うまでもない。沖縄県は1000万人の観光客、観光収入1兆円を目指し、観光産業を中心に活性化を図るとしているが、人数はともかく、収入は消費単価を現行水準から大幅に引き上げ、高品質化を図る必要があり、国民所得が低下傾向にある現状を考えると多くの課題がある。

 ■地域の成長戦略を

 県は観光産業振興対策として独自財源を確保する狙いから法定外目的税として「観光税」創設に向け研究に着手している。八重山圏域でも環境協力税、入島税、観光税等の議論があり、八重山青年会議所が昨年、課題を指摘した。

 八重山観光は自然の魅力が原点で、多数の観光客が来島することによって水資源確保、ごみ問題の発生や自然への負荷が高まり自然の回復力が弱くなっているとの指摘は重大だ。海岸に漂着するごみ問題の国際協力も重要だ。

 地域の持続的な成長戦略を描く中で、環境保全の費用は安易に観光客が負担すべきという発想でなく、住民はもとより国民の守るべき貴重な資源として、全員で支える「世界遺産」という発想に進むべきだろう。問題はどのような方法で環境保全の費用を確保するかだ。

 観光客に対しては、自ら進んで来島、消費活動を行っていることに感謝する視点が重要であり、消費税や県、市町村の法定外目的税との二重、三重の課税は避けるべきである。熾烈な誘客競争の中、八重山観光の負担が重くなることは地域間競争に敗れ自殺行為となる恐れがある。先島に課された「人頭税」のように、取りやすいところからとる発想のないよう慎重な議論をお願いしたい。

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