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自衛隊配備、水面下で遂行

概算要求と富士総合火力演習から見える危険性

■離島防衛強化に5兆円超

 防衛省は2015年度予算の概算要求で、過去最大の5兆円超を要求した。島嶼(しょ)防衛強化のため、水陸両用車やオスプレイ、無人偵察機「グローバルホーク」、新型早期警戒機などを導入する。

 レーダー建設により、電磁波による人体への影響が懸念されている与那国町への新設第303沿岸監視部隊配備や関連用地取得費などが盛り込まれた。

 配備が計画されている奄美大島の用地取得費も盛り込まれた。石垣島や宮古島は調査結果がまとまり次第、用地取得等の予算を要求する方針と言われている。しかし、調査結果はすでにまとまっているのではないか。

 先月、防衛省幹部は沖縄県知事選挙前に用地取得で地元を刺激したらまずいとの判断から先送りしたと述べている。市民の知らないところで配備計画が着々と進行している。

 去る24日、国内最大規模の実弾射撃訓練「富士総合火力演習」が、静岡県御殿場市の東富士演習場で、陸海空2300人が参加して行われた。

 

■離島奪還作戦で実弾演習

 演習は、島嶼部を防衛し、奪回するシナリオで実施された。このような演習は配備候補地とされている石垣市として無関心ではおれないはずだ。

 島嶼部攻撃への対応として警戒、監視活動、哨戒行動、敵艦艇に対する攻撃、配置した部隊による戦闘、情報収集活動、敵艦艇および舟艇に対する各誘導弾による攻撃、奪回に向けての一斉攻撃が実施された。ロケット弾が発射され、戦車が走り回り、ヘリコプターが飛び交い、実弾44㌧(3億5000万円)が使用された。

 演習が火力戦闘の様相を認識させることにあるとはいえ、市民にとって住民対策が全くとられていないことに恐怖を覚える。

 八重山における無人島は尖閣諸島、仲之神島ぐらいで、あとは有人島である。〈島嶼奪還作戦〉が展開されたら住民はどうなるか。「国民保護計画」で安倍首相のいう国民の生命、財産を守ることなど不可能だ。

 自衛隊の元統合幕僚会議議長栗栖弘臣氏は「自衛隊は国民の生命、財産を守るものだと誤解している人が多い。これを守るのは警察の使命(警察法)であり、武装集団たる自衛隊の任務ではない。自衛隊は『国の平和と独立を守る』(自衛隊法)ものであり、直接侵略および間接侵略に対し、わが国を防衛することを任務とする」と記している。

 

■自衛隊は国守り、国民守らない

 栗栖氏によれば国とは歴史、伝統文化に基づく固有の文化、長い年月の間に醸成された国柄、天皇制を中心とする一体感を享有する民族、家族意識である。決して個々の国民を意味しないという。 これは戦前の「国体護持」の思想である。自民党の石破茂幹事長は「沖縄戦で兵隊さんについていけば、きっと助けてくれる。沖縄の人々が信じていたからでもありましたが、本来は軍隊が民間人に対して事前に避難を指示し、軍隊は軍隊だけで戦いに専念すべきだったのです。戦場に自国民がいては軍隊は持てる力を十分発揮できません」と述べている。

 沖縄戦の実相についてまったく無知と言ってよい。栗栖、石破氏の理論からすると、自衛隊が国民を守るというのは幻想であるということだ。

 だとすれば、自衛隊配備など必要ない。島嶼防衛と聞こえはいいが、かつての<国体護持>でしかない。「軍隊は住民を守らない」は沖縄戦における<教訓>である。恩つけがましい予算要求など必要ない。無駄使いの最たるものだ。

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