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3次元海底地形図が完成 名蔵湾の沈水カルスト

菅浩伸教授らのグループが公表した沈水カルストの3次元海底地形図

菅浩伸教授らのグループが公表した沈水カルストの3次元海底地形図

名蔵湾内で確認されているコモンシコロサンゴ(2013年12月7日、サーフダイブ・インストラクター濱岡鉄也さん撮影)

菅教授らが公表

 石垣市の名蔵湾で確認され、日本最大級といわれる沈水カルストの3次元海底地形図を九州大学大学院比較社会文化研究院の菅浩伸教授らのグループが完成させ、25日公表した。菅教授によると、詳細な地形が明らかになるのは初めて。これに連動し、八重山ダイビング協会と環境省が連携してサンゴ群集調査を行うことにしており、沈水カルストを覆うサンゴの実態も解明されそうだ。菅教授は「サンゴ礁の調査にも海底地形図が役立つのではないか」と話している。

 カルスト地形は、石灰岩などの岩石が地下水系によって溶解、浸食されてできるもの。海水面が下がっていた氷河期に陸域で形成され、その後の海面上昇過程で水没した。

 菅教授らのグループは名蔵湾中央部の1.85㌔×2.7㌔の範囲で専用の測深機で水深1.6㍍から58.5㍍を測量し、これを基に潜水調査を行い、3次元地形をつくった。大小のくぼ地や河川跡など5種類の地形を確認、菅教授らは「多様な形態と環境を持つことが明らかになった」としている。

 航空写真で確認できる沿岸域の地形を考慮すると、南北6㌔、東西5㌔に及ぶ名蔵湾のほぼ全域が沈水カルスト地形になっている可能性が高いという。

 菅教授らは「名蔵湾は地形の起伏が大きく、湾内に多様な環境が存在し、生物多様性が高い海域である可能性が指摘できる。将来、大規模サンゴ群集や独特の生態系が見いだされる可能性を秘めた海域と言える」としている。

 この沈水カルスト海底地形図を活用し、協会と環境省那覇自然環境事務所石垣自然保護官事務所は菅教授と連携しながら、サンゴ礁の被度、面積、種類などを調査する。同湾内では、すでに巨大なコモンシコロサンゴ群集が確認されている。

 同協会の佐伯信夫環境対策委員長は「カルスト地形を覆うサンゴについてはこれまで知られていなかった。名蔵湾のサンゴは8年前の台風で被害を受けたが、再生が早く、再生能力の高さも解明されるのではないか。観光においても将来、重要なポイントになる可能性がある」と話している。

  • タグ: 3次元海底地形図名蔵湾沈水カルスト
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