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低下し続ける高校入試平均点

中・高連携を濃くし閉塞感を解消せよ

■学力低下の最大責任

 元参議院議員で、かつて県教育委員長を務めた大浜方栄氏がこのほど逝去された。大浜氏は石垣市出身で医療法人おもと会グループの創立者。地域医療に功績を残し、琉球大学医学部設置にも力を注いだ。ご冥福を祈る。

 大浜氏といえば県教育委員長の頃、「学力低下の最大の責任は現場教師にある」を著し、県内外で物議を醸した。その頃の沖縄の政治状況は保革の激しい対立の中にあった。また、著書が教員攻撃の向きもあったため、革新の雄であった沖教祖は猛反発。祖国復帰後の混沌(こんとん)とした社会情勢と相まって一大センセーションをまきおこした。

 この発言は社会が落ち着いた現在、そう目くじらを立てる者は少ないだろう。それは、「最大」はともかく首肯する者、教員の政治主義からの決別、そして教壇実践主義への社会的な評価をはじめ、単一にとらえることのできない複合的要因や経済的格差など、冷静に判断する余裕が県民にあるからだろう。また全県的に展開している学力向上対策への支持も作用しているのではないか。

 

■高校入試平均点低下

 そんな中、気になる学力データが報告された。子どもの学力について話し合うシンポジウム「沖縄の子どもたちに豊かな学力を|学力保障への多面的なアプローチを求めて」(県教職員組合那覇支部主催)での報告だ。それによると県立高校入試の平均点が過去11年間で44・5点(300点満点)も低下している。しかも、毎年低下し続けているとのこと。

 本県は、海邦国体の翌年昭和63年から全県をあげて学力向上対策を展開している。本県教育の最大重点文教施策である。それにもかかわらず、なぜの疑問が起こる。

 いくつかある学力データの中で高校入試成績が最も客観性、標準性に富むものと考える。必要に応じて地区別、学校別、高校別のデータが得られ、問題の難易度も他県と比較することができる。何よりも長い歴史がある。問題も系統性があり急激に出題傾向を変えることがない。本県が進める学力観の成就度や学力対策の成果を見ることもできる。それに対して県立学校教育課は「―(出題の)構成が変わっているので、過去のものと単純に点数比較はできないのではないか」の見方だ。

 

■貴重なデータ生かしてこそ

 これでは謙虚さを欠き、想像力に乏しいと言われても仕方がないのではないか。行政や学校は、保護者や県民など外部からの意見、疑問を批判ととらえてはいけない。釈明を求めているわけでもない。     

 県教委説明のように入試問題の内容や形式は少しずつ変わっていよう。だが、これを含めての学力対策ではないのか。本紙社説でも説明にある全国学力テストB問題や国際学習到達度調査(PISA)を例に引き学力向上対策への工夫を提言してきた。高校入試には貴重なデータが満載している。それを生かさない手はない。高校サイドから小中学校への授業改善をはじめとして学力観の転換を求めてもいいのではないのか。マクロ的には中高一貫校の設立をより強く推進してもいい。

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