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多彩な八重山芸能文化の継承

個性豊かなステージ、県内外で

■八重山の土の香り

 厳しい亜熱帯の暑さもようやく和らぎ、涼しい風がさわやかに肌をなでる文化の秋、芸術の秋がやってきた。毎年、この季節には、多くの優れた八重山芸能の舞台公演が開催され、私たちの心を豊かになごませてくれる。

 地元の八重山においては、芸能文化の分野で多くの団体、会派、研究所が、私たちの先達がつくり上げ、伝えてきた歌三線、舞踊、ユンタ・ジラバなど芸能文化に熱意を持って取り組むとともに、時代を反映した新しい形で作品を創作する意欲的な活動を展開している人々が数多くいることは、心強い。また、近年、八重山地域以外の沖縄本島や県外においても、歌や踊りなど八重山芸能の力強く個性的な公演が相次いで開かれており、これからも八重山の土の香りを満喫できる多彩な舞台が予定されている。

 

■ユニークな試みも

 在沖八重山郷友会連合会が主催して隔年ごとに実施している「全島とぅばらーま大会」は、去る9月14日に第17回が開催された。県内外から参加した18人が美しいとぅばらーまを朗々と歌い上げ、石垣市白保出身の東川平成人氏が優勝の栄に輝いた。

 10月6日に那覇市民会館で開かれた秀風会本盛秀八重山民俗舞踊研究所の「秀風ぬ伝統(くくる)」は、特筆に値する優れた公演の一つであった。本盛秀師匠は、県指定無形文化財八重山伝統舞踊保持者として多くの優れた後継者を育ててこられた。90歳の今日でも現役として柔らかく軽快な所作で自ら舞台に立つ姿勢は、高く評価すべきであろう。「秀風ぬ踊る」、「六調子」など16演目が披露され、満員の観客を魅了した。

 また、県外においても幾つかのユニークな公演が開催された。八重山古典民謡保存会東海支部設立15周年を記念して開かれた「大鍇みね先生をしのんで〜肝かいしゃ〜」と題する公演(10月14日 名古屋市芸術創造センター)には、東海地方在住の出演者に加え、地元石垣、沖縄本島や関東などから駆けつけた多くの八重山芸能関係者がともに舞台に立ち、八重山の歌や踊りが県外においても受け入れられていることをあらためて認識させた。

 さらに、関東宮良郷友会創立30周年を記念した「郷土芸能東京公演」もユニークである。「ふるさとへ感謝をこめて『歌と踊りと芸能文化』のお祭り」と副題を付して東京の浅草公会堂で開かれた催しには、「宮良村の親子獅子舞」「宮良村の棒技」など民俗芸能や宮良村ゆかりの「赤馬節」「目出度節」などが披露され、ふるさとから駆けつけた大勢の出演者の協力もあって、多くの人々を魅了するいかにも八重山らしい取り組みであった。

 

■今後の課題も

 来る10月26日に予定されている当社主催の「八重山古典民謡コンクール発表会」には、沖縄県内のみならず、県外からも多くの受験者が挑戦し合格した皆さんが出演される。全国的な裾野の広がりは喜ばしいことであるが、一方、中舌音が発音できなかったり、八重山の風土を背景とした歌の味わいが不十分であるなど、課題も少なくない。

 研究者、指導者をはじめ、八重山芸能文化の正しい継承のためいかにすべきか、真剣に取り組む時期がきているのではないだろうか。

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