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子牛価格高騰に沸く家畜セリ 

次代を見据えた改良推進を

■史上最高値への期待

 八重山、黒島両家畜市場の7月のセリは子牛の平均価格が46万円を超え、今年の最高値をつけた。当分の間、価格は高値を維持するとみられ、年間平均価格が45万円を超え、過去最高の高値となった2006年に迫る見通しだ。セリ値高騰の背景には、2010年に口蹄(こうてい)疫被害を受けた宮崎県や11年3月の東日本大震災の被害を受けた福島県などでの素牛補充が十分に進まないなか、安愚楽牧場の倒産などで全国的な素牛不足の傾向が続いている現状がある。

 また、安倍首相の経済政策「アベノミクス」効果で景気に明るい兆しが見え始めたことで、低迷していた枝肉市場が活性化しつつあることも影響しているようだ。

 全国の素牛不足は短期間での解消は難しい。景気の回復基調が続けば、牛肉の消費量増加が見込まれ、枝肉価格、子牛価格上昇へと好連鎖の連続が期待できる。

 

■実を結んだ地道な改良

 現在の子牛価格は、石垣島和牛改良組合(前津正明組合長)など関係者による母牛改良への取り組みや、3市町長を含めた本土購買者の誘致活動など、地道な取り組みが結実した結果だろう。

 購買者のニーズを調査し、指摘された高齢母牛の更新や、数が多い種雄牛の絞り込みを実施。種雄牛は現在、60頭程度にまで絞り込んでいる。この中心に「北福波」という県外でも人気の高い県種雄牛がいることも心強い。

 一方、高齢母牛の更新は、セリで11産以上の高齢母牛産子をまとめてセリの最初に持ってくるなど差別化を図ることで生産農家の更新への意識を高めた。

 また、一定以上の育種価がある雌子牛を保留する農家に補助金を交付する県畜産振興公社の「優良繁殖雌牛保留事業」も効果があった。さらに石垣市とJAも、県の種雄牛の北福波産子を保留する場合に補助金を支給し、高齢母牛の更新を支援した。

 その結果「かなりの頭数の高齢母牛の更新が進んだ」(JA地区畜産振興センター)。セリへの高齢母牛産子の上場が減ったことで、JAは今年5月のセリから差別化を廃止した。

 

■好調なうちに次の対策を

 郡内の肉用牛のセリ価格は、過去に何度も上下動を繰り返してきた。バブル期は、1985年の1頭22万円から上昇を続け、ピークの89年には約2倍の平均43万5000円にまで高騰した。これがバブル崩壊と、牛肉の輸入自由化(91年4月)の影響で下降線をたどり、93年には23万円台にまで下落した。次の山頂は、過去最高となる2006年の1頭平均45万円台。現在の高値は、そこから世界的な不況のあおりを受けて下落し、30万円を割り込んでからの再上昇だ。

 農家が再生産が可能な子牛価格は平均で35万円程度と言われている。それからいくと現在のセリ値は比較的余裕がある価格だろう。ただ、好調なうちに、次に来るであろう価格の下降線を見据え、より優良系統への更新や、低コスト生産への対策を急ぐ必要があるだろう。

 いつの時代も優良系統は常に高値を付けてきた。この事実を重視し、購買者のニーズを的確に把握した優良系統への更新が望まれる。

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