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特需の観光地か?

持続的発展が肝心

■今年90万人も可能  県八重山事務所は今年5月の八重山観光入域者は前年比21・4%増の7万1000人で、1月からの累計でも20%増加し、7カ月連続前年を上回っており、新空港開港効果を維持していると発表した。沖縄県全体では7・8%増と国内観光地としてもトップクラスの伸び率だが中でも八重山エリアは別格で、さらに勢いを感じさせる結果となった。6月からのピーチ・アビエーション社、7月からのスカイマーク社の新規参入で、今年90万人を突破することも十分可能であると県内観光専門誌が6月号で特集を組んでいるが、航空会社や旅行社の中には新石垣空港路線はある意味「特需」であると冷静に指摘する見方もある。一方、八重山主要7ホテルの5月度実績調査によれば、平均客室稼働率は前年の53.7%から62.4%へ向上したが、客単価は前年の6106円から5743円へ363円減少(5.9%減)となり、人数ベースでは回復基調にあるが、金額ベースでは前年を下回っていて手放しでは喜べない苦しい環境とした。これは長引く不況やデフレ経済下にあって、観光客を確保するため大手旅行社との契約に基づき、料金を大幅に割引しているためだが、時間をかけながら適正料金への交渉が必要となっている。 ■LCCとの共存 スカイマーク社はLCCを名乗っていないが、ビジネスモデルはLCCに習い、使用機種の統一やポイント・トゥ・ポイントのピストン運航、旅客サービスの徹底した簡素化に努め低価格を実現していて、これまで飛行機を利用してこなかった旅客層を開拓した。しかし稼働率が悪いと減便、撤退が早いのがLCCの特徴だ。宮古島での撤退の際は大きな波紋を投げかけたのは記憶に新しい。先に市内で講演会を行ったピーチ社の井上CEOによれば「東アジアの人々にとって八重山は魅力的な島々として人気が高い。手つかずの大自然、独自の文化や厚い人情、目的別に島々での過ごし方を考え、アクセスの利便性を向上できれば国内外からさらなる需要が見込まれる」とした。ピーチ社は「低コストの空飛ぶ電車であり、安心安全はもとより便利、正確に運航し、信頼される日本品質(ジャパンクオリテイー)を目指す」とした。石垣路線は80%台の搭乗率を確保していて国内外のアクセス確保やネットワーク重視の経営姿勢は地域間交流を推進する八重山諸島にとって歓迎したい。 ■改善は迅速に 県の離島観光振興会議で新空港に対し、不備、狭隘さが指摘され、拡張を求める声が相次いだという。特に国際線ターミナルは待合室の座席数が100人余で、国際空港を目指す石垣空港には恥ずかしいほどの施設で、座る場所もないお粗末さである。保安検査の能力不足や、備品、器具、駐機スペースの不足、1日70便余の離着陸便に対して受入能力が不足しており、旅客ニーズに対応できていない実態が明らかになった。県や市は9月議会で対応費計上を諮るとしているが、今後、当局の迅速な対応に期待したい。合わせてCIQの常駐化や空港運用時間の延長(現行13時間)も考慮して地の利を生かした24時間空港への道も推進すべきだろう。100万人時代を見据えた宿泊能力が懸念されるが、沖縄県の調査によれば、現在、八重山3市町でホテル、旅館、民宿などを含め、359軒、1万4422人の収容能力がある。滞在日数などを考慮して、130万人時代にも対応できる収容能力だが、中小、零細企業が多く、長引く不況で経営が疲弊している実態がある。持続的発展のためには企業が時代のニーズに対応できるよう改装、改善資金の融資など、地元主導の発想で行政、金融機関の迅速な対応が求められている。

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