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時折、介護施設を訪れることがある。それは…

 時折、介護施設を訪れることがある。それはなかなかの人生勉強で考えさせられることが多い▼入居者は施設職員の懸命な支えのもとに生活しているが、やはり老齢や障がいなどで何かと不自由している▼車いすの操作はできるが、ベットからいすへの移動が困難な人、寂しいのか絶えず何かを呼んでいる人、寝てばかりいる人などさまざまであるが、どの人の中にも生活しようとする意志が感じられ、その意志があるのにそれがうまく実現できないもどかしさを身体いっぱい表現しているように思われる。そしてもし自分が老齢を迎えるとどうなるのだろうかと身につまされてしまう▼施設勤務のある友人はこんなことを言う。人間は年を取るとまず運動能力が落ち、意志と五感が弱くなり、例えば読書などから遠ざかるのであるが、聴覚だけはもし衰えたとしても刺激すればあるメッセージを受容する能力が維持されているような気がする。だから人間の結晶である音楽は老いの心を賦活するのに最適な文化だ▼従ってその人が好きだった音楽、深い情緒を持つ音楽などを編集してそれをイヤホンから聴いてもらえれば老人は高い水準の毎日が送れるのではないかと▼彼は早速、自分自身の老齢のために綿密な音楽編集を始めたのである。 (八重洋一郎)

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