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61年目の卒業証書 76歳の冨底利雄さん(波照間)に授与

戦争マラリアで学業中断
 【波照間】戦争マラリアで両親と2人の兄を亡くすなどして、中学校を卒業することができなかった名石地区の冨底利雄さん(76)が13日、波照間中学校の卒業式に出席し、3人の卒業生とともに卒業証書を受け取った。61年越しで卒業証書を手にし、同日夜には自宅で家族や知人の祝福を受けた冨底さんは「涙があふれそうになりました」と喜びを語った。  波照間では、アジア太平洋戦争中にマラリア有病地帯の西表島に避難させられた影響で、終戦間際から戦後しばらくの間、マラリアの死者が相次ぎ、冨底さんも両親と2人の兄を亡くした。冨底さんは中学2年生ごろから漁船に乗るようになり、中学校は卒業しないままになっていた。  学校側は冨底さんの事情を酌み、何らかの形で卒業証書を授与できないか検討。冨底さんの卒業番号を「特1」とし、卒業台帳のなかでは、冨底さんが在籍していた3期生の末尾と4期生の最初の間に冨底さんの卒業番号を挿入し、正式な記録として取り扱う。  13日の卒業式では、冨底さんの後輩に当たる前迎隆博君と安里希望さん、野底沙瑚菜さんの3人が笑顔で入場し、「失敗を恐れずにチャレンジしたい」「高校卒業後は体育系の大学で勉強したい」と抱負を述べた。  仲底校長は「自分を育んでくれた島に感謝してベスマピゥになってください」と激励。担任の前加良晴美先生が卒業生との思い出を振り返ると、会場には目頭を押さえる人の姿も見られた。(本比田里奈通信員)
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