9月
3日
2005

医師不在から半年の黒島診療所

Category: 土曜リポート



住民の不安拡大
常駐医の確保訴え

竹富町の黒島診療所から医師がいなくなって、9月で6カ月目に入った。住民は不安を募らせており、黒島公民館では「医師を常駐させてほしい。それが無理なら、週1回の診療や看護師の常駐などで、一歩でも二歩でも前進させてほしい」(神山光永館長)と訴える。町は医師探しを続けており、これまでに3人の医師が現地を訪れているが、着任が決まるには至っていない。医療は「住民生活の基本にかかわること」(大盛武町長)である以上、医師の確保は待ったなしだ。(松田良孝記者)

■欠航
島仲律子さん(32)の長女(6つ)は8月3日午前11時ごろに発熱した。台風5号の接近で、定期船の欠航が近付いていたため、石垣市内へ診察に赴くことはあきらめ、自宅にあった解熱剤を長女に飲ませるとともに、市内に住む義姉に市販の解熱剤を送ってもらうことにした。
長女の熱は下がったが、律子さんは「もし薬が効いてくれなかったらと思うと心配だった。お医者さんが診療所にいてくれるだけで、安心できる」と話す。

■不安
黒島診療所は、1950(昭和25)年から診療を続けてきた常駐の医介輔が2003年6月に引退したあと、常駐の医師が不在となった。2004年3月からは市内の診療所が週1回の診療を行ってきたが、今年3月で終了している。
このため、住民は、緊急時には、保健師の資格を持つ宮良美帆さん(32)に頼りながら、健康を維持している。今年8月までの1年間に受けた相談は十件。
ただ、宮良さんの活動はボランティア。制度的な後ろ盾はなく、宮良さんは「難しい症状の相談を受けたときには、不安を感じる。人の命にかかわることだけに、精神的な負担も大きい」と話す。10月には、出産のために島を離れることになっており、「このままでいいのだろうか」と疑問を抱いている。
黒島小中学校(鳩間真英校長、児童生徒数19人)では「児童や生徒がけがしたときに、石垣へ送るべきかどうか判断が難しいことがある。医師がいれば、安心できる」(仲本光枝養護教諭)と話す。

■決め手がない
町では、医療事務や薬剤の確保に必要な経費、準備資金として合わせて2000万円の予算を確保。診療所と隣接する医師住宅の改装も準備している。しかし、肝心の医師確保に必要な決め手がない。
県医務・国保課は「医師確保には、いろいろなアイデアが必要。町に対する情報提供を続けたい」としている。
大盛町長は「緊急時の対応は検討したい。安心して暮らせる島にするため、医師を早いうちに配置したい」と話し、医師の常駐や、週1回程度の巡回診療の確保などに向けて、県との協議や医療機関への打診を続けていく考え。

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