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“畜産王国”というが… 減り続ける八重農畜産科の志願状況

■このギャップは何か  去る14日、県立高校の合格発表があった。少子化で定員不足が目立っていたが、八重山農林高校で驚いたのが畜産科の合格者が、定員40人に対しわずか13人しかいなかったことだ。2次募集中なので今後まだ増える可能性があるが、さらに驚いたのは最初の志願者がわずか8人だけで、13人は他の科の1次志望からもれた2次志望の合格者5人が加えての数というからだ。  八重山は約800戸の農家が県全体の約4割に当たる3万3000頭余の牛を飼養。農業産出額は統計データのある2006年段階で約71億円と八重山全体の約6割を占め、全国でも有数の牛の産地として「畜産王国」を誇っている。それがその後継者あるいは八重山の畜産の担い手となるべく志願者が少ないのだから土台は心もとないし、このギャップは一体何なのかと問いたくなる。  学校側によるとこの傾向は今に始まったものでなく、畜産科の志願者は定員40人に対し従来から20人以上30人未満の状況が続いているという。  そこに八重山の3高校全体でも約100人が定員に不足する少子化が加わり、畜産科の合格者は08年16人、09年18人、10年24人、11年26人と推移、今回13人となった。  しかもこの数字はあくまで入学した生徒の数。その中から中途退学が相次ぎ、実際に卒業したのはさらに10人台に減り、08年は20人だったが、昨年は6人、今年は14人だった。 ■廃科の危機?  畜産は八重山の農業と経済を支える基幹産業のはず。それがなぜこうも志願者が少ないのか。それはその割にこうした産業教育に地域の人々の関心と理解が薄く、それが畜産科がそれほど魅力ある学科でないと子どもたちに影響しているのかもしれない。  特にそれは実際の進路指導に当たる中学校側に、農業や漁業をはじめ地域の産業とかかわりの薄い教師が多いせいか、その傾向がみられるという。そのため高校側としては積極的に中学校に出向き、学科の説明などもしているが、どうしても志願は普通高校に集中し職業教育、産業教育への関心、理解は低いのが現状だ。  一方中学校側も、きちんと学科の説明をしているが、どこに進むかは子どもたちの選択権の問題であり、教師はそこまでは踏み込まないという。  しかし少子化は進む一方だし、このまま志願者が減り続ければ「廃科」あるいは定員割れの学科同士を「統合・再編」の恐れは十分。 ■産業教育に目を向けよ  これに対し石垣島和牛改良組合の宮良操組合長は「確かに地域の産業教育にわれわれの関心はいまひとつ低い。しかし廃科は困るし、体験学習や畜産とのふれあいの機会を多くするとか、何とかしないといかんだろう」と改めて地域での取り組みの必要性を強調。  一方農林高校側では、「牛を高く売るために、あるいは低コストで牛を飼うにはどうすればいいか勉強が必要。そのため学校では養豚や養鶏も含めて人工授精から出産、去勢、肥育など経営に必要な基礎知識を勉強している」「畜産に限らず、これからの農業教育は生産から加工までの6次産業化に向かうべき。教師もそういう認識で教育に当たる必要がある」と強調する。  八重山の産業をさらに発展させるためには、こうした担い手を育成する高校での産業教育が不可欠。畜産科も子どもたちが進んで志願する魅力ある学科とするため、学校と関係団体が連携しての取り組みが必要とされている。

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