Category: 芸能・文化
地元発信、「合宿ライブ」でブレーク
昨年の「きいやま商店」は、これまでになく活発に動いた。保育園から老人介護施設、学校、公民館、地域のイベントや石垣島まつりまで、あらゆる場所へ出かけ、歌った。幼児からお年寄りまで、幅広い世代に愛されるきいやま商店。異色の親族バンドとして拠点を石垣島に置きつつ、今年は積極的に全国で歌いたいという。
■1回限定のつもりが…
メンバーは3人。リョーサ(36)=崎枝亮作=とマスト(34)=将人=は兄と弟、だいちゃん(35)=大樹=はいとこだ。
バンドは2008年8月の結成。当時、3人の音楽活動はそれぞれがバンドを持ち、別々に活動していた。福岡県に住み、教員免許を持つ亮作さんは、「長男なのでそろそろ島に帰ろう」と決めたところ、3人一緒にライブをやったことがないことに気づき、「帰郷前に1度やろう」と2人に声をかけた。
友人らを集め、東京のとある居酒屋でライブを開くと、予想外に評判が良かった。「それで石垣島でもやってみようとなった」と亮作さんは振り返る。
翌年の3月18日、市内大川の「すけあくろ」で初ライブ。このときはバンド名となった「きいやま商店」を経営する祖母・好さん(86)も駆けつけてくれた。
3人がギターを弾き始めたのは中学生のとき。最初に弾き出したのは亮作さんだったが、何かと影響し合う仲で楽器も貸し借りして使った。
和製ロックバンドがはやっていたころで、「音楽好きな中学生は、ジュン・スカイ・ウォーカーズやユニコーン、ザ・ブーム、ボウイなどのコピーをしていた」という。
そして亮作・大樹さんは「リズムネーションズ」、将人さんは「ノーズウォーターズ」というバンドで八重山音楽祭に出場。中学生メンバーのノーズウォーターズは、当時最年少バンドとして話題になった。
きいやま商店は10年11月、ファーストアルバム「さよならの夏」、11年9月にセカンドアルバム「沖縄ロックンロール」をリリースした。
バッペータ!! ゆーしったい、じんがねーらん、など子どものころ使った方言を曲に使っており、昔の原風景と親近感、芸人顔負けのコントなどが、きいやまバンドの魅力のひとつ。
■4月から福岡合宿
2011年7月には島を出て1カ月間、沖縄本島で「沖縄合宿」と題して音楽活動を行った。
RBC沖縄BON、NHKはいさい沖縄、QABゲラ×ゲラ流すたいる、OTV24時間テレビお笑い県産品など次々とメディアに出演した。さらに秋には琉大以外の県内大学祭や専門学校から声がかかり、学園祭で歌った。10、11月には関東と福岡ツアーも敢行した。
今年は4月から1カ月間、「福岡合宿」で九州各地を回ってメディアを訪ねたり、ライブハウス出演などを行う予定。5月にはハワイを訪ねる計画もあるという。
■きいやまを巡る真実
同バンドにはいくつかの伝説が生まれた。まず歌よりトークが多い。また下ネタを連発したため、祖母がライブの途中で退席したなど。
「バンド結成間もないころは3人でできる曲が少なく、トークが多かったのは事実。でも最近は違う」と将人さん。祖母の退席に関しても「本当のこと、ばあちゃんはまだ乙女だった」と笑い飛ばす。
白ワイシャツに黒ネクタイ、島サバ(ぞうり)というステージ衣装は、「だいちゃんの祖母が亡くなってしばらく後にライブが予定されていたときがあって、どうしようかと話し合った結果、にぎやかなことが好きだったばあちゃんなので、やろうということになり、黒ネクタイは喪に服するぼくらなりの表現だった」という。
今年は「昨年よりワイドに活動したい。きいやまはエンターテインメント性があると言う人がいるが、決め付けると面白くない。今年は方向性も含めて同じになるとは限らない」(将人さん)、「3人一緒のときは飾らないでやろうと決めている。全国の人に覚えてもらいたいので各地で歌いたい」(大樹さん)、「『じんがねーらん』が人気を集めたが、今年は『じんがまんでー』という曲が作れるようにしたい」(亮作さん)とそれぞれ抱負。
今年の夢を聞くと「紅白歌合戦出場」と口をそろえる。
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