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稚魚のアパート設置へ 初の沈設型、漁業資源回復ねらう

石垣~竹富間に8カ所
 石垣市が8000万円をかけて製作した大型の沈設型鋼製魚礁16基が、3月までに石垣島~竹富島間の海底に2基ずつ8カ所設置される。魚礁は稚魚や小魚の“アパート”。今後、どんな魚が入居してくれるのか楽しみだ。  人工魚礁は1基10メートル四方の台形で、突起のない角錐状の構造となっている。現在は新港地区に待機中だ。設置場所については漁業者や関係機関と協議して決めることになる。石垣市が沈設型の魚礁を整備するのは初めてで、これによって漁業資源の回復を狙う。  砂地の海底にあるサンゴ礁の穴場などを漁業者は「ヤナ」と呼ぶ。産卵場となり、稚魚の隠れ場やえさ場になる。外敵から身を守るのに格好のシェルターだ。  市が魚礁を設置する背景には、天然のヤナが減少している実態がある。石垣島~竹富島間は4年前に漁業者らが調査したところ、アンカーで割られたり、ひっくり返されたりした17カ所がなくなっていたという。同海域は少々のシケでも出漁できる好漁場となっているが、クリアランス船の被害に遭ったものとみられている。 ■ジャコートゥヤー  ヤナにはカツオ漁のエサとなるサネーラー(たかさご類の稚魚)、ナガーグヮー(きびなご)、ウフミー(テンジクダイ類)が群をなして集まる。こうした稚魚を総称してジャコー(雑魚)と呼び、専門的にとる漁業者をジャコートゥヤーと言う。  現在は2グループ10人近くがジャコー捕りに携わっている。ヤナを網で囲い、ジャコーが集まったのを見計らいながらダイバーが網に追い込んでジャコーを捕る。  カツオ漁がまだ盛んだったころは、各カツオ船専用のヤナを決めていた。餌取組合がカツオ餌取責任者協定書というのを交わし、厳格にルールを決めていたことからも、いかにヤナが重要視されていたかが分かる。市史編集課が所蔵する1982年3月28日の協定書には、ヤナの餌を盗んで差し押さえられた時はヤナの主のものとすると規定し、「罰金として金3万円を餌取組合に納める」とある。 ■ヤナに名前  ヤナを利用する与儀正さんによると、八重山近海には名前のついたヤナが770カ所あり、市史編集課がまとめた地図と名前の一覧によると、石垣近海のヤナは82カ所あり、地名や方角、魚礁の特徴などから名前が付けられている。  例えばクヮンニンドーヌシチャヌイリーヌガーラヌヤーマギヤナーは観音堂の下の西のガーラの大きなヤナ、ヤラブヌウーワリは屋良部の大きく割れたヤナ、デンシンヤーヌカンバングヮーはデンシンヤーの看板小との意味だろう。  さて、石垣市が設置する人工魚礁は何ヤナと名付けられるのだろうか。
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