Category: 芸能・文化
観客500人超、会場熱気
石垣字会が地域ぐるみで
116年ぶりとなる組踊「伊祖の子(いずぬしー)」の復活公演が17日夜、宮鳥御嶽で行われた。石垣字会(大田義憲会長)の石垣村組踊り「伊祖の子」復活委員会(崎山健一委員長)が2009年から地域ぐるみで行ってきた取り組みのお披露目で、会場には500人を超える人たちが集まり、1時間余りに及ぶ真夏の夜の舞台に酔いしれた。見事な出来栄えに、地元の人たちからは早くも今後の継承に対する期待の声が出ている。
字会は09年度から2年間、文化庁の助成を受け、「伊祖の子」の復活に取り組んできた。国立劇場沖縄の協力で、時代考証を行いながら、衣装や道具を再現。復活公演への取り組みでは重要無形文化財「組踊立方」保持者(人間国宝)の宮城能鳳氏らの協力を得た。
「伊祖の子」は士族の少女、思鶴(うみちる)に理不尽な仕打ちを繰り返す継母の乙樽(うとぅだる)が夫、伊祖の子の戒めや子どもたちの愛情で改心するというあらすじ。「雪払い(ゆちばれー)」の名でも知られる。字会によると、1895(明治28)年に宮鳥御嶽の結願祭で行われて以来、演じられていない。
復活公演は午後7時半から始まり、大田会長が「明治以来とだえていた『伊祖の子』に取り組んできたが、台本しか残っておらず、手さぐりの状態で困惑することも多かった」とあいさつ。
中山義隆石垣市長のあいさつに続いて、舞踊の「いらさにしゃふし」と「御前風」を挟み、崎山委員長が「伊祖の子」について説明した。
舞台は午後8時20分すぎから始まり、宮鳥御嶽にはすでに約500人の人たち。開幕後も来場者があり、通行止めとなった同御嶽前の通称・4号線まであふれた。
思鶴の訴えに乙樽が改心するクライマックスでは、静まり返っていた会場から拍手が起こり、舞台は観客と一体になって終幕に向かった。
最も長い出番を務めた思鶴役の玉代勢秀尚さん(27)は舞台後、「言葉にならない」と声を詰まらせ、「練習の成果は十分に発揮できなかったが、地域のみなさんの笑顔でほっとした」と語った。
復活への取り組みがスタートした時に字会長だった内原英忠さん(72)は「青年が頑張ってくれた。期待以上。伝統芸能として継承していってほしい」と期待を語った。
崎山委員長は「今後は(116年前のように)結願祭で奉納したり、字石垣以外の場所へ出て公演することも考えられるのではないか」と話している。
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