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「ヤマネコと人の共存を」 専門家の任意団体、竹富町に報告書を提出

生息地保全で提言
土地改良事業で懸念示す
 国の特別天然記念物・イリオモテヤマネコの生息地保全に向けた調査研究を続けている専門家の任意組織、イリオモテヤマネコ生息地保全調査委員会(委員長・土肥昭夫元長崎大学教授)が24日午前、竹富町役場を訪れ、イリオモテヤマネコと人間が共存していくうえで必要な西表島の土地利用に当たっての配慮事項などを盛り込んだ第1次報告書を提出した。調査はNPO法人「トラ・ゾウ保護基金」の助成を受けて行われ、約1年半にわたる調査活動の成果を報告書にまとめた。  報告書は、イリオモテヤマネコの生息地である西表島の低地部を11地区に区分。さらに各地区をいくつかの区域に分け、それぞれで(1)ヤマネコにとっての環境特性とヤマネコの生息状況(2)過去から現在に至る土地利用の状況(3)現在および将来の土地利用計画(4)土地利用の現状・変化がヤマネコに与える影響(5)土地利用に当たっての配慮すべき事項を記している。  このなかで、特にヤマネコへの大きな影響が懸念される区域として、県営土地改良事業が計画されている「船浦浦内」「祖納干立」「ヨナラ野原」の3地区を挙げ、▽森林の伐採▽土地の造成と水系への影響▽水田の畑への転用など乾燥化▽引水・排水による河川水量への影響などを避けるよう、配慮を求めている。  また、民間による大規模な土地取引があり、将来的なリゾート開発が予想される崎山半島(船浮、崎山)、豊原(南風見田)の両地区でも森林伐採や土地の造成、湿地環境の現状変更などを避けるよう求めている。  土地改良については「これから県と調整していけば、ヤマネコや他の動植物に負担の少ない賢いやり方や知恵が出せる」(坂元雅行氏)という。  町への報告書提出で同委員会の土肥委員長は「報告書を最大限に活用し、ヤマネコと人間、地域住民との共存を図ってほしい」と要望。  報告書を受けた富本傳副町長は「ヤマネコの生息環境の保全と土地利用方法を今後の町行政に生かしたい。姉妹町の斜里町から自然保護のノウハウを学び、ヤマネコとわれわれが共存できるよう知恵を絞りたい」と話した。  同委員会では、県や国などの関係部署に報告書を提出するほか、NPOのホームページ上で公表する計画。  また、今後、定期的に調査を進め、新たな動きがあれば、関係機関に情報提供することにしている。
  • タグ: イリオモテヤマネコ環境保全西表島
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