Category: 社説
あと1年でアナログ放送打ち切りというが
■全国84%、石垣市は44%
最近、テレビ画面で「ご覧のアナログ放送は来年7月で終了し、見ることができなくなります」とデジサポ沖縄と総務省地デジコールセンターの電話番号が表示されているのを、みなさんお気づきだろう。そうそれは現在テレビは2つの電波で放送されてるが、来年7月24日でアナログ放送が打ち切りとなり、翌25日から地上デジタル放送のみとなることから、NHKと民放各社が「いよいよあと1年ですよ」とカウントダウンを行っているのである。
しかしその割に地デジ普及率は5月現在全国平均が83.8%に対し、沖縄は今なお65.9%と全国最低。そして石垣市はそれよりなお悪い44.2%とまだ半分にも満たないが、お隣の宮古島市は41.5%とさらに低い。
なぜ八重山、宮古はそんなに悪いのか。沖縄総合通信事務所によると、地デジの電波がまだ届いていないと思っている、届いてることは知っているがどうすればよいかわからない、テレビ買い替えのお金がない、まだ時間的に大丈夫と思っているなど、要因はさまざまあるとみているが、八重山に限れば経済的理由のほかにまだ大丈夫と思っている人が案外多いかもしれない。
■テレビが見られない
確かに八重山はその民族性から目の前にならないと動かないという傾向がその数字かもしれない。それはそれでよいだろう。しかし尻に火が付いて電気店が込み合い、特に離島は工事が間に合わないとか、あるいは部品が足りないなどでテレビが見られなくなる事態も当然予想される。それだけに台風対策と同じようにやはり「備えあれば憂いなし」で準備すべきだろう。
それにしても地デジへの切り替えには金がかかる。それは多くの家庭で大きな負担となっている。まずテレビの買い替え代。画面の大きいのは20~30万円以上かかるし、マンションなど共同住宅では共同アンテナも必要。
来年7月の地デジ移行後も現在のテレビで視聴は可能だが、そのためには1万円前後の専用チューナーが必要であり、さらにケーブルテレビの場合はSTB(セットトップボックス)を取り付ける必要があるため、毎月の視聴料に新たにその料金が上乗せされる。
加えて現在は一家に2、3台テレビがある時代。買い替えや台数分のチューナー代など多額の金がかかり、さらに廃棄処分でその分のリサイクル料金も加わり家庭の負担は本当に大きい。それだけに順次対応の必要がある。
■戸惑う老人世帯
生活保護世帯やNHK視聴料免除世帯は政府がチューナー代を無償配布、さらにテレビ買い替えで八重山など離島の市町村民税非課税世帯は、県からリサイクル料金も含め最大1万5000円の補助もあるが、これらが対象世帯に十分周知されているか疑問だ。
住民負担が問題になっていた西表白浜と船浮は、竹富町がおよそ150万円弱負担して解決した。しかし国の施策変換になぜわたしたちが新たな負担を強いられるのかはなはだ疑問だ。
とはいえカウントダウンは始まった。総務省などは国の責任としてコールセンターを設置して周知に努めている。八重山3市町も戸惑っている人たちのために相談窓口を設置してもっときめ細かく対応すべきだ。格差社会でテレビを買い替えできない隠れ弱者はどうするのか、電気店のない離島の人々や老人世帯はどうすればよいのか。エコポイント制度の活用など電気店やテレビ局を加えた多様で実践的な相談窓口の拡充強化と対応を望みたい。