7月
17日
2010

八重山文化を観光資源に

Category: 社説



魅力あふれる八重山の文化

 連日30度をこえる暑い季節の到来だ。猛暑にへきえきしないでもないが、やはり八重山の魅力は夏。夏休みを迎え、海へ山へと子供たちも元気が出る。いよいよ各地でプールィ(豊年祭)や夏祭りなどが開かれ、最も八重山の夏を満喫する季節がやってきた。
 美しい自然景観は言うまでもないが、近年、食や工芸、芸能などローカル色に満ちあふれた八重山の文化が大きな関心を集め、若者を中心に全国から多くの人々がやってくる。海や山、空の美しさに加えて、八重山の個性豊かな文化を地域の資源として最大限に活用し、地域振興を図ろうではないか。

 先ごろ沖縄県から発表された2010年6月の入域観光客数は、42万7000人で、対前年同月比で900人、0.2%の増加である。やや明るい兆しが見えてきたとはいえ、十分な伸びとはいえない。
 第3次沖縄県観光振興計画では、観光の効果を「豊かな自然や生活環境の保全、伝統文化や芸能等の保存育成及びこれらに対する県民意識の高揚や県民の豊かな心の形成に大きく寄与している」と位置づけている。

■地域文化の掘り起こしを
 地域の文化を観光に生かそうと、行政を中心に、観光協会など各種団体や有識者、地域の人々が声高く主張してきているが、最近、いささか元気がない。住んでいる私たちが何気ない日常に埋まっている宝物を掘り起こし、再認識して、国内外から多くの人々を誘うきっかけとしたい。

 ユンタ・ジラバなど珠玉の古謡や島々の踊り、素朴な中にも気品に満ちた焼き物や織物などの工芸品、身近な素材を生かした野趣あふれる食文化は、多くの人々を引きつけている。
 古いたたずまいの島々村々を駆け抜ける海風、神々への畏敬の念に触れることのできる御嶽、あくまでも澄み切った青空や満天に輝く星々などの美しい自然景観や文化遺産など私たちの日常には、他の地域では失われて久しい個性豊かな自然や文化が今も脈々と息づいていることに、改めて思いをいたしたい。一人ひとりが、地域の自然、文化に関する知識を多く習得し、理解し、誇りと愛情を持つことが最も重要である。

■八重山文化を着地型観光に生かせ
 観光は、経済波及効果が大きく、地域振興に欠かせない基幹産業であることは論をまたないが、従来の「見て食べて遊ぶ」というパターンから、心を癒し自ら体験し学ぶ、という体験型へとシフトしつつある。

 近年、観光による地域づくりのキーワードとして「着地型観光」ということが盛んに唱えられている。地域の文化を核として、そこに暮らす人々が歴史や芸能文化や街並みなどを付加価値の高い商品として売り込む着地型の観光は、八重山にもっとも適した観光の形態であろう。
 多彩で細やかな自然と、独自の工芸、芸能文化を有する八重山には、ことさら構えなくても、日常的に芸能や工芸に触れる文化が育っており、訪れる人々を心からもてなすホスピタリィティに満ちた人々が暮らしている。多くの人々を引きつけるさまざまな魅力があり、まだ外部に伝わっていない多くの磁力を持っていることに私たちが気づく必要があろう。
 8月1日から7日までの観光週間を前に、改めて、先達が血と汗で築いてきた八重山文化を、私たち自身がしっかり受け継ぐとともに、国内海外にもその魅力を発信したいものである。

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