Category: 社説
民主大敗、衆参再び“ねじれ国会”に
■民主政権に厳しい評価
第22回参院選挙で国民は、昨年夏の政権交代から10ヵ月の民主党政権に厳しい評価を下した。同選挙で民主は大敗、自民は議席を伸ばし、さらにみんなの党が躍進。この結果与党は非改選を含め110対132で過半数を割り込み、自公政権時と立場は逆転、衆参両院で再び「ねじれ」が生じた。
しかも与党は、衆院で法案の再可決に必要な3分の2以上の議席もないため、野党の協力がないと法案は一つも成立しないことになり、国民の暮らしや政治は自公政権当時のように再び停滞、漂流の可能性が高くなった。
しかしなぜこのような結果になったのか。それは選挙で初めて政権交代を実現し、国民から大きく期待された割に、事業仕分け以外それほど成果を出していないということがあるだろう。
自民党政治と変わらぬ相次ぐ政治とカネの問題、子ども手当てなど目玉政策の財源不足問題、ぶれるマニフェスト修正問題、看板倒れの政治主導、迷走した普天間移設問題、そして今回の選挙で菅首相から突然飛び出した消費税増税問題など、国民からすれば期待を裏切られたという思いだろう。
■山城氏善戦は沖縄の怒り
その思いは沖縄こそ強い。普天間移設は「最低でも県外」の民主政権の裏切りに対する沖縄の思いは、県内移設反対を訴え2期目を目指した自民党現職の島尻安伊子氏(45)=公明県本支持=の大差の再選でまず示された。
さらに落選はしたが社民・社大推薦の山城博冶氏(57)が、共産との革新分裂選挙の中で21万票余を集め善戦したのは、その民主党政権への県民の怒りと、沖縄との約束を守り連立政権を離脱した社民党への評価といえよう。
八重山も3市町で島尻氏に3000票余の大差をつけられたが、告示間際の出馬で知名度もなく、6000票余を集めたのは同様の思いからだろう。
今回沖縄の投票率は、前回を約8ポイント下回る52%余、石垣市に至っては9ポイント下回り5割を切る46%余となったが、これは政権与党の民主党からの立候補がなく、争点の見えづらい選挙となったことと、民主党などへの一連の失望感、政治不信がこのような投票率になって現れたといえよう。
■「ねじれ」の影響は?
与党大敗で再び「ねじれ国会」となった今後、普天間はじめ沖縄政策はどうなるのか非常に気になるところだ。
去る国会では衆参とも多数を占める与党は、自公政権当時と変わらぬ数の力で各種法案を押し通してきたが、今回の選挙で参院は野党が多数を占め、思い通りには行かなくなった。今後連立あるいは政策ごとに野党の協力を得る「部分連合」をどこと組むのかによって普天間も、沖縄政策も違ってくるが、普天間に関しては県民の意思、今回の選挙結果を十分に尊重すべきだ。
みんなの党(10議席)と組むだけでは過半数に足りないし、公明との部分連合などが模索されるだろうが、自民もこれまでに比べて野党としての存在が大きくなる。ということは唯一の沖縄選出自民党国会議員である島尻氏の存在も大きくなるということだ。
沖縄はあと2年で国の振興計画が期限切れとなる。泡盛の酒税軽減措置、離島へのガソリン輸送補助等の復帰特別措置は今後も継続が必要であり、さらに県が自由裁量で使えるひも付きでない新たな一括交付金制度もぜひ導入すべきだ。「ねじれ」の中にあっても島尻氏をはじめ、県選出の衆参国会議員の皆さんには与野党問わず離島八重山への目配りをお願いしたい。