6月
26日
2010

新装なる障がい児教育の殿堂

Category: 社説



社会的責任が求められる事業体

■障がい児教育の殿堂
 県立八重山特別支援学校(唐眞盛充校長)は、創立30周年を迎え、去る19日に記念式典・祝賀会を催した。それに合わせて校舎を全面改築し、その落成も兼ねた。念願の寄宿舎、幼稚部も設置。まさに障がい児教育の殿堂にふさわしい校舎・設備である。
 障がい児教育をリードしてきた前身の八重山養護学校が装いを新たにしてできた八重山特別支援学校。その校名には、これまでの「養い護る」から一歩進んで「特別な支援を施す」ことで、成長が期待される子どもたちに社会全体でかかわる―そんな社会的責任のようなイメージがある。

 式典で唐眞校長は「八重山地域の特別支援教育センターとして果たすべき役割は大きなものがある」と述べた。これまでも障がい児教育のセンター的存在で、その機能を果たしてきたが、さらに発展が期待される。寄宿舎と幼稚部が設置されたからだ。また、これまで知的障がい児のみの「単独型」学校であったが、聴覚、視覚障がい児も教育する「総合型」学校になった。
 これまで離島に在籍する児童生徒は、寄宿舎がないため、沖縄本島や宮古島在の特別支援学校に入学せざるを得ない状況にあった。園児にしても、専門的な保育を望んでも幼稚園普通学級への入級を余儀なくされていた。
 支援体制が充実し、教育の特性が生かされるものと考える。校長の言う「果たすべき役割」が目に見えるようだ。それだけに県教委は、手厚くサポートする態勢を敷いてほしい。特別支援の名を飾りだけにしてはいけない。

■就労教育を支えるもの
 障がいを持つ児童生徒の保護者にとって最大の関心は、校歌に歌う「自立の願い忘れずに」であろう。将来の自立をなくして特別支援教育はないと言える。ハンディを背負っているだけに乗り越えるハードルは高い。だが、決して突き当たってはね返される前方の見えない「壁」ではない。前方の見える「ハードル」である。そのためには「養護」から「自立」への意識変えを強める必要がある。
 同校では就労体験を通して職業観の醸成に努めている。職業意識の高揚が技能を高め、体力を付け、情緒を安定させて一般就労への扉を開かせる。

 教育の目的は、人格の完成にあるが、具体的に「自立の確立」として教育に当たりたい。自立は愛情や慈しみだけでは限界がある。そこにはどうしても社会的支援が必要。その中核を担うものは企業といえよう。企業の社会的責任としての支援が求められる。

■企業の積極的支援が必要
 知的な遅れがあるといっても、すべての能力が遅れているわけではない。企業はそのことを知って障がい者の雇用に努めてもらいたい。知的障がい者は、考えたり理解する力がないのではない。健常者より時間がかかるだけである。繰り返し練習すると、ゆっくり成長する。そのことを特徴ととらえたい。感情面の遅れがあるわけではなく感受性が豊か。まじめで休まず、陰日なたなく働くなどの特徴も持っている。企業は障がい者に対する固定した意識を見直し、その特徴を業務に生かしたい。

 県は、障がい者等への職場適応訓練事業(雇用労政課)を実施している。訓練生には訓練手当が、事業主には訓練費が支給される。障がい者も事業体もこういった制度を積極的に活用することで障がい者雇用を促進させたい。
 障がい者の雇用が広く実現されることが共生社会。それは障がいを持つ人々に希望を与えるばかりか、明るい街づくりを大きく前進させる。そんな事業体が多く出て来てもらいたい。
 雇用促進で教育功労者として表彰された(株)太洋リネンサプライや(株)マックスバリュ、それに県内初の特例子会社であるNTTデータだいち石垣事業所などは高く評価されていい。

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