Category: 社説
用地取得・資金確保に多くの課題
■スポーツアイランド宮古島に立ち遅れ
八重山観光は金額ベースで平成11年、人数ベースで平成19年をピークに下降線をたどっていて出口の見えない状況が続いている。長引く世界的不況、観光需要とこと事によるデフレ圧力、少子高齢化社会到来による経済の縮小などが要因と考えられるが、沖縄本島や宮古島の観光入域者数は、官民の強力な取り組みにより底打ち感が出始めていて改善傾向に向かっている。
一方、八重山圏域は、昨年の大幅な落ち込みに引き続き、本年4月までの累計で5%減となっていて八重山だけが回復から取り残される厳しい状況になっている。その要因として消費者の安・近・短志向、より手軽な旅行を求めているとする指摘もあるが、果たしてそれだけだろうか?
八重山は時代が求める新たなニーズに対応が遅れ、「自然や文化の魅力」に頼り、従来のコースのまま工夫がなく販売している現状が敬遠されているとする分析がある。宮古島に比較して八重山の魅力が勝っているという独りよがりの誘客活動の結果、変化するニーズの開拓、観光開発の努力を怠ったツケを払っている現況なのだ。
観光資源の少ない宮古島はいち早くスポーツアイランドをテーマにトライアスロン大会、プロ野球キャンプ、人工ビーチの整備を推し進め、八重山との差を着実に詰めてきている。
■一流の国際的観光地に必要不可欠
その最たるものが「ゴルフ場建設問題」であることは言うまでもない。八重山が取り残されている原因のひとつに石垣島に18ホールを有する本格的なゴルフ場がないことで、沖縄本島(21カ所)や宮古島(3カ所)に優良な観光客を奪われ、大きなハンディになっていることは疑いがなく経済的損失は計り知れないものがある。3年後の新石垣空港開港を見据え、一流の国際観光地を目指し、持続的発展のためにゴルフ場建設は避けて通れない緊急の重要課題といえよう。
遅ればせながら市商工会や市観光協会、ゴルフ協会等が建設促進に向け取り組みを開始したことは評価したい。しかし建設に向かっては課題が多く、なかなか進展しない原因となっている。政府はバブル崩壊による消費者保護や自然環境保全の観点から新規ゴルフ場開発行為に対し規制を強化している。ゴルフ場建設には約100ヘクタール(約30万坪)の用地が必要とされ、山岳や森林・農地が多く、狭い石垣島の中でこれだけの用地をまとまって確保することは並大抵の作業ではない。
都市計画法、森林法、農地法、環境問題など各種規制などの課題をクリアし、国・県・市の公共用地、個人用地の取得・借上・交換、国立公園や市景観条例との線引き変更など土地利用の調整は民間事業者にとって課題が多く負担が重い。
■プロジェクト推進は地域を挙げて
従来、資金の面で多くの事業者が開業前に会員権を販売し個人から資金を得て開発を行ったが、平成4年、「ゴルフ場等に関する会員契約に関する適正化法」の施行により、開業前の資金募集が原則禁止され、40億円とも予想される資金調達が困難な状況となっている。
しかし全国(2400カ所)平均で年間利用者が4万人、売上高5億円、雇用効果70人、関連する多くの税収が期待でき、建設後の会員募集など収支を長期に安定できる事業計画ならば地域として強力に取り組む必要がある。用地取得や資金確保面で建設が困難視されているゴルフ場だが海外(特にアメリカ)では市民スポーツや健康志向の高まりから行政が建設し、民間が運営するパブリック方式のゴルフ場が多いと聞く。石垣市においてはこれら課題を検討の上、実現に向け行政主導のプロジェクト推進を提案したい。