6月
5日
2010

八重山観光復活に行動しよう

Category: 社説



入域減で島経済に閉塞感

■象徴的な船会社の共同運航
 今月1日から八重山観光フェリーと安栄観光の両社が、石垣~竹富航路で共通チケットを導入し、同一路線の共同運航を始めた。4月には石垣~黒島間で試験運航を行っており、共同運航は2路線になる。
 利用客の多い石垣~竹富航路は、両社の「ドル箱路線」だ。このため両社は年々便数を増やし、その数は1社20便にもなった。ほぼ同じ時間帯に両社が出港、ピストン運行してきたわけだ。
 ところが観光客が減り、燃油の高騰が経営を圧迫するようになった。そこで苦肉の策として見いだしたのがこの共通チケット・共同運航だ。定期ダイヤを維持しつつ両社の運航回数を減らし、燃油や人件費などのコスト削減を図った。
 これにより両社はそれぞれ9便削減したが、運航便数はトータルで2便増の計22便としている。利用者にとっては両社どちらの船も利用でき、運航便数が増えたことで利便性は向上した。
 ところが提供席数はほぼ半減しており、夏の観光シーズンに対応できるのかという不安要素も否めない。その場合、両社は臨時便を出すなど、柔軟的に対応するよう要望したい。

■薄利多売で悲鳴あげる宿泊施設
 船会社の共同運航は、最近の八重山観光の現状を如実に表したケースだろう。この数年、観光客は減り続けて業界は悲鳴をあげている。
 大型リゾートホテルは次々と外資系に譲渡され、不況で提供室料などの引き下げを余儀なくされている。
 今年2月は5カ月ぶりに入域客が前年を上回り、回復の兆しと業界関係者を喜ばせたが、それも続かなかった。
 ニーズがなくなったわけではない。景気低迷で国民の懐が堅くなり、よほど魅力のある商品か、お得感の強い低価格商品でないと売れないのだ。一時は東京発2泊3日、3万9800円という超格安商品もあった。
 このようなツアー商品だと宿泊施設は赤字だ。通常よりさらに低い料金を強いられる。しかし施設を回転させるために受け入れざるを得ないというのが現状だろう。
 これまで多くのホテルがリストラを行い、経費をぎりぎりまで切りつめている。薄利多売で何とか景気回復に期待を託してつないでいるのだ。

■郡民協力も大きな力に
 観光客の減少は、特に竹富町や与那国町などに大きく波及している。これまで滞在中に町内複数の離島を訪れていた観光客が、目的先を絞ったり、旅行先を石垣島のみとする傾向にある。
 3月の竹富町観光入域を見ると、この月は昨年に比べて9.1%、1万389人も減った。
 ぜい弱な産業基盤の離島では、入域者の減少は住民生活に及ぼす影響が極めて大きい。竹富町の人口は昨年から減少傾向に転じており、観光産業の不振で移住者がUターンする傾向も見せている。
 いまのところ景気回復の見通しが立たず、八重山観光がいつ回復するかも不透明だ。
 このような状況下で市観光協会は新たな観光需要の掘り起こしとして、県内小学校の修学旅行誘致、卒業や入学、結婚、定年などの節目に旅行してもらう「ハッピーアイランド八重山キャンペーン」などに取り組む。あの手この手の対策で閉塞(へいそく)感を破る考えだ。
 ただ、業界だけでは弱い。地域経済を回復させるためにも郡民の協力が必要だ。それは遠足先を竹富町に設定したり、各団体が各種大会の誘致に動くことでも可能だ。過去にスポーツ大会やPTA大会など積極的に行っていた事例もある。住民一人ひとりが意識すれば強力な応援隊となるのである。

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