5月
29日
2010

早期に「標準法」の改正を

Category: 社説



少人数学級と複式学級の解消を

■「標準法」とは
 文科省は「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」(以下、標準法)の改正に着手した。11年以降定数を引き下げて、少人数学級化を促す考え。80年に現在の40人定数に減らして以来、実に30年ぶりの改正になる。遅きに失した感は否めない。
 05年から我が国の総人口は減少期に入った。少子化がその因をなしている。そのため八重山の各小中学校でも学級数の維持、学級減対応に苦慮しているのが現状だ。
 この少子化とは別に、全日本中学校長会など教育関係23団体は、行き届いた指導、個に応じた教育を施すため教職員の定数増や少人数学級を実現するため、国が教職員給与の一部を負担する義務教育費国庫負担制度の拡充を求める要望書をこのほど決議している。
 そこで、父母や市民に学級や教員の定数についての理解を深めてもらうため、その仕組みを記すことにする。
 同年齢で構成する学級数は児童生徒の人数によって定まってくる。学級編成には定数がある。この定数を定めた法律が「標準法」。これによると現在、1学級当たりの児童生徒数は上限40人。例をとって説明をすると、A小学校でb学年の児童数が、40人から1人増で41人になったとすると、2学級で編成される。
 単純に計算して教員数も1人増(中学校なら2人増)。それにともない教室数も増え建設を余儀なくされる。学校に交付される教育予算も増額になる。ここで心したいことはその逆もあるということだ。近年は少子化によりこのことの方が多い。このように児童生徒数の減は学校経営に大きな影響を与えているということをまず知りたい。
 他に、児童生徒間の結び付き、生徒活動や学習意欲、学校行事など学校の活性化にも影を落としている。

■早急な改正を
 行き届いた指導、目配りのできる教育のために学級定数の上限を下げ、少子化による学校の没活性化を防ぐために標準法の早急な改正が必要だ。定数に関って離島や山間へき地校を抱える八重山には別の問題もある。腹式学級編成。むしろこの方が深刻だろう。

 A中学校で、b学年とc学年の合計人数が8人以下であるならbc学級という複式学級を編成せざるを得ない(小学校は人数が異なり1学年の場合は別の規定がある)。
 このことは学校の統廃合の理由にもなっている。全国的に見れば何校もの学校を失っていることだろう。現在、窮余の策として大方の中学校では、指導の不都合さを軽減するために複式学級を単式学級にし、その分の授業時数を教員間で負担し合っている。そのしわ寄せは学校経営や教員研修に影響してくる。

 教育の機会均等の上からできるだけ複式学級を避け効率よく授業を受けさせたい。そのためにも早く標準法を改正しなければならない。
 保護者によっては複式学級を嫌い、我が子を都市地区の学校へ転校させている者もいると聞く。そういういびつさをなくすことにもなる。

■あまりに多い臨時教員
 定数と関連して臨時的任用教員問題も本郡は抱えている。その数が余りに多いということだ。研修や産休、育児休暇、病休の補充に任用される臨時教員。本務教員の権利行使が発生したとき登用されるが、教員採用試験の合格者が少なく臨時教員でまかなうことも多いようだ。年度を越えての指導の継続、教職経験不足、主要分掌の任命などに問題を残している。能力があり熱意のある者が少なくないだけに残念なことだ。
 学力向上を考えるに当たって、学級定数、臨時的任用教員といった、構造上の問題の是正が必要だ。
 ちなみに本県の小学校1、2年の学級定数は35人。

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