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密猟で200頭切る? アサヒナキマダラセセリ

市教委文化課パトロールだけでは限界
市民の常日ごろの監視が必要
 4月下旬から県指定天然記念物のチョウ「アサヒナキマダラセセリ」の繁殖期に入り、市教育委員会文化課(与那嶺定課長)では市民ボランティアの協力を得てパトロールを強化している。だが、先日、3頭を所持している県外男性が八重山署に県文化財保護条例違反容疑で任意に事情聴取を受けるなど、密猟者も後を絶たない。山頂での個体数の減少が深刻化しており、同チョウの生息環境を守り個体数を維持するためにも市民一人ひとりの監視の目が必要だろう。(下野宏一記者) ■貴重な固有種  同チョウは、石垣島・西表島のみに生息する固有種。近縁種の分布の中心がヒマラヤなどの奥地となっていることから氷河期からの生き残りとされ、1978年に県の天然記念物に指定されている。 個体数が極めて少なく、環境省のレッドデータブックで「絶滅の恐れのある生物」にリストアップされている。 ■密猟の横行  同チョウは、同条例で幼虫などを含めて採集が禁止されているが、マニア間で高額で取引されるケースがあることから密猟が後を絶たない。同課がパトロールを開始する以前の07年にはマニアの専門情報誌に寄せられた同チョウの目撃数が約230頭にのぼる。実数はこの3倍、大半が採集されたと見られている。 ■個体数の激減  今月9日と12日に市民ボランティアの1人と於茂登岳頂上で個体数を調査した同課の阿利直治主査は「予想していたよりもはるかに少ない。200頭を切るのではないか」と危機感を募らせ、07年までの密猟から回復しきれていない状況を強調した。  また、市民ボランティアの男性は「山頂付近で終齢幼虫やサナギの段階で採られている可能性が高い」と分析。生息数の維持に向け▽山頂付近に幼虫やサナギを捕る密猟者を入れない▽ふもとで成虫を採らせない、対策を示し「生息環境を厳格に守る必要がある」と強調した。 ■市民の監視の目  同課のパトロールで網を持った採集者数は減った。だが、3頭の所持が確認された県外男性のように悪質な密猟者は確実に存在する。  同課の阿利主査は「1頭たりとも捕らせないよう、パトロールの強化が必要」とする一方、現状のパトロールだけでは限界があることを示し「市民一人ひとりの監視が必要」と訴えた。
  • タグ: アサヒナキマダラセセリ天然記念物
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