5月
12日
2010

消費低迷打破の弾みに

Category: 社説



「黒糖の日」制定で式典とキャンペーン

■黒糖の魅力、全国にアピール
 一昨日の10日は初の「黒糖の日」だった。県や黒糖を生産する市町村、製造工場などで組織する県含みつ糖対策協議会(会長・比嘉俊昭県農水部長)が長寿県沖縄の県産黒糖の秘めたるパワー、魅力を全国に官民挙げてPRし消費拡大を図ろうと語呂合わせで5月10日を「黒糖の日」に制定した。

 この日は那覇市のパレット市民劇場で制定記念のセレモニーが行われ、基調講演やパネルディスカッションを通して黒糖の健康効果や地域振興への役割、可能性などが紹介された。
 対策協議会では、これも語呂合わせで9月6日までを「黒の日」として販売促進強化月間に設定。本土の菓子メーカーなどと意見交換会も予定しているが、これをどう販路開拓と消費拡大につなげ、そして黒糖の日をどう定着させていくかは同協議会の官民挙げての取り組みにかかっているといえる。

■「黒糖の島」八重山
 以前にも紹介したが県内で黒糖を生産しているのはすべて離島の7地域。伊平屋、粟国、宮古多良間のほかは竹富町の波照間、小浜、西表と与那国町となり、八重山が黒糖の主産地だ。
 その黒糖が深刻な販売不振に陥っており時宜を得た制定といえる。景気悪化で数年前から市場が縮小の一方で、デフレによる菓子メーカーなどの安値志向で外国からの安い輸入品や再製糖に苦戦を強いられているのだ。
 この結果、県黒砂糖工業会(新里光男理事長)はこれまでの4800トンに加えて、今期生産量も約3割の2800トンをこれは本土でなく、暑さで黒糖の劣化が激しい県内で保管調整するなど大量の在庫を抱え、これらの地域は農家も工場もピンチに陥っている。

 このうち小浜糖業は1億3000万円の資金繰りができず、農家の原料代約9700万円が支払えないまでに追い詰められている。同工場では今月中に支払う約束をしているが、支払いの遅れは農家の死活問題となっている。
 小浜糖業では島だけで工場を運営するには限界があるとして、今後の運営をJAに要請しているようだが、島の農業と暮らしを守る上からぜひ前向きに考える必要があろう。

■行政も販売面に努力を
 黒糖の産地はサトウキビが基幹作物として島の産業・経済、暮らしを支えている。それだけに各役場もサトウキビ農業に多くの予算を投入している。外間守吉与那国町長も、国の9100万円余の緊急交付金ですべての土壌改良を農家の負担なしで行うなど、キビ関係で1億500万円余を投入した。
 しかし多くの役場がそうだが販売面での努力には疑問符が付く。いくら金をつぎ込んで生産してもそれが売れなければ農業も商売も成り立たない。黒糖の日セレモニーには川満栄長竹富町長、外間与那国町長も出席した。販売面はむろん工場や工業会、JAなどが努力すべきだが、しかしそれが町の大きな産業だとするなら、行政も販売面にもっと力を入れるべきだろう。
 同時に分みつ糖並み支援策や再製糖などとの表示差別化なども国に訴え、離島農業の環境整備を図るべきだ。

 同問題は沖縄にとっても八重山にとっても大事な問題。その割に先日の瑞慶覧長敏衆院議員のタウン・ミーティングでは要望もなく関心は低い。業界はもっと黒糖のPRに積極的であるべきだし、わたしたちも地域産業にもっと関心を持ちたい。そういう意味で15、16日に開かれる八重山の産業まつりには多くの人が足を運び、地域の産業振興にぜひ協力をいただきたい。

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