3月
14日
2010

三代目江戸家猫八の目と口 の印象が強く…

Category: 不連続線



 三代目江戸家猫八の目と口 の印象が強く残っている。鳴きまねをするのに指をくわえなければならず口周りの表情 や手のしぐさも芸で寄席の客の目は、自然に口元に注がれていた▼東京の高座で何度か名人芸を拝聴したが、とぼけたしゃべりをぬって発するウグイスの鳴き声などは、天下一品で演じる姿も軽妙だった。石垣島では、寄席へ通う楽しみもかなわず落語はテレビ、ラジオを通じてしか聞けなくなった▼映像や録音では、寄席と異なり生の余韻のある清澄な鳴き声はうまく伝わらず不満がたまった。上京の折に寄席をのぞいてみたが、猫八師匠の高座は、とうとう巡り合えなかった。しばらくして訃報が流れた▼師匠の息子で小猫を名乗る青年を知ったのはテレビ。大きな目は父親似だが細身の背広姿なので着物姿の多い師匠とは、印象が違った。一途な鳴きまねを聞いて父親譲りの研究熱心がうかがえた▼父には、負けたくないと世界各地を訪ね、鳥や虫の発する音を耳に刻み、真に迫る鳴き声の修練を積んで40年。文化庁芸術祭でも入賞。それでもまだ父には及ばずと謙虚▼その小猫が昨年10月、四代目猫八を襲名し全国公演をスタートさせた。沖縄公演を石垣の3月17日に希望したのは、よく通った八重山の皆さんにいち早く晴れ姿を披露したいとの思いから。(仲間清隆)

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