Category: 社説
新球場の完成、なぜ遅れたか
2月の千葉ロッテキャンプに続き社会人野球、中学春季野球、学童野球、そして本土や宮古の高校野球部の相次ぐ合宿、八重山は球春たけなわだ。しかし30年ぶりに改修される肝心の新しい野球場は、1月完成予定がロッテのキャンプに間に合わず、先月下旬から相次いでいる高校野球の合宿にも間に合わず遅れに遅れ6月になるという。なぜこのように完成が遅れたのか。
■ロッテ「約束が違う」
わざわざ本土から高い金を払ってこの遠い石垣島まで練習に来るというのに、ちゃんとした受け入れ球場がないというのは、はなはだ失礼な、まことにお粗末な対応といわざるを得ない。
しかもロッテのキャンプも、高校野球の合宿も1年前から既にわかっていたこと。それをなぜ間に合わすことができなかったのか。ロッテの球団社長は「約束が違うではないか」と大浜市長に苦言を言ったとも聞くが、確かにこの問題は石垣市の信頼にかかわるもの。今後こうした事態を繰り返さないためにも、その原因は当然解明されなければならないし、責任の所在も明らかにされるべきだろう。
■耐震構造の何が問題か?
市建設部の説明だと原因は、本土のマンションなどの耐震強度偽装事件を契機に審査が厳しくなった耐震構造計算の遅れという。この結果当初の6月発注、1月完成予定が2カ月以上も遅れ、8月着工となった。そのため石垣市は、ロッテのキャンプに何とか間に合わせるようにと、工事の発注は耐震設計と関係ないグラウンド整備など土木関係を優先、それも分離分割で発注するなどして集中的に工事を進めてきた。
昨年12月21日に大浜市長が現場を視察した際、担当の都市計画課は「管理棟などは遅れるが、内外野スタンド、グラウンドとも1月末に整備は完了する見込みなのでロッテのキャンプ利用は可能」とし、大浜市長自身も突貫工事をしてでも間に合わせたいとしていたが、結局間に合わなかった。
そこで思うに遅れの原因が耐震構造計算にあるというが、それは受注業者に責任があるのか、あるいは市に責任があるのかのどちらかということだ。いわゆる担当課に業務遂行上、不手際があって耐震設計の発注がこのように遅れたのか、あるいは受注業者が耐震計算に手間取るなどして、結果として工事発注が大幅に遅れることになったのか、そのあたりの原因、責任は当然解明、追及されるべきだろう。
■高校の合宿はどうなる
新球場はグラウンドの芝も張られ、内外野のスタンドも整備されるなど、おおむね完成しているように見える。6月に完成というのは電光掲示板のスコアボードなどの整備が残っているためのようだ。したがって本土などからの高校野球部の今月の合宿は、改築に伴う新たな利用料金の設定などで議会承認の絡みもあり可能性は不明だが、安全面などで施設利用が可能なら特別に使用を検討してもよいだろう。
6日の中学野球は球場が確保できないため八重農グラウンドで行っていたが、公式戦であり、できるならみんなが野球を楽しめるスコアボードのあるきちんとした球場でさせてやりたい。
ロッテは石垣市の対応への不信の表れか、来年のキャンプは撤退も辞さずで数々の要望を行っている。その是非は別にして、今回の件で一ついえることは役所はスピード感をもって業務に当たるべきということだ。中山新市長はこのことを明言しており、他の役所もあらためて肝に銘じるべきだろう。