2月
27日
2010

最近の教育2題

Category: 社説



「市教委・琉大の協定」と「すすむ食育」

■学力・教師力向上で連携
 石垣市教育委員会(江川三津恵教育長)と琉球大学教育学部(仲村透学部長)は、学力向上と授業力向上に向けて連携・協力することになり、先日その協定調印が交わされた。これは09年度にスタートした「21世紀おきなわ子ども教育フォーラム」の一環としてのもの。現在、授業力の向上を図るため八島小と大浜中を拠点にしてプログラムが進められている。
 同事業の活用は、大浜中学校(宮良学校長)が端緒を開いた。すでに昨年7月から始まっており、琉大と八島小・大浜中の間で「授業力向上研究会」を立ち上げ、教師の授業力向上への取り組みが進んでいる。

 教育は、教育学者と研究者と実践者の3者が連環してはじめて効果が期待できる。どちらが欠けてもかなわない。教育学者のみでは理想に走り、研究者のみでは現場から遊離する。そして、教員のみでは閉塞(へいそく)感が生じる。今回、大学という研究機関と現場の実践者が連携した意義は大きい。
 研究者が加わることで、授業における一般的な原理原則を発見し、それを核にして授業を創造する。そうした緻密(ちみつ)で科学的な努力がなくては、子どもの未来につながる学力はおぼつかないものとなる。
 授業力とは、この授業を創造する力のことと言える。「市全体に波及することを期待する」(江川教育長)には、授業力すなわち教師力向上への意味合いがあることだろう。

■進路に資する授業を
 学校では昨今、学力向上対策ということで「10分間テスト」「100マス計算」などのドリル学習や、「過去問解答」などの反復学習が盛ん。これらの学習は授業で得た知識の定着を図るために取り入れる。だが、学力向上の骨格になるものは日々の通常の授業である。教材を媒介にした教師との練り合いの中で子どもの考えが引き出され興味関心がわいてくる。そういうものの、集積が思考力であり、判断力である。ここで獲得された能力はおのずと進路選択に資することになる。それが人格まで昇華したものが「生きる力」と言っていいだろう。
 授業は本来、このような壮大な営みである。市教委と琉大の連携・協力が、その営みを推し進めていくよう願いたい。

■活躍する栄養教諭
 学校で「食」の大切さが浸透してきている。食育講演会が実施され、「バランスのよい食事」「よくかんで食べよう」と児童生徒に説いている。
 食事の子どもの心身の成長に及ぼす影響は計り知れないものがある。ファストフードに代表される食の欧米化、スナック菓子を多食する傾向、朝食の欠食など身体の発達を阻害する要因が子どもたちを取り巻いている。そういったことが偏食や肥満につながっているのではないか。
 05年度に学校教育法が改正され、新しく「栄養の指導および管理をつかさどる教員」として栄養教諭制度ができた。それを受けて本地区でも栄養教諭が配置され児童生徒の食改善に努めている。
 食は健康な体をつくる基だが、一方、生活習慣病をはじめとして食が引き金になっている病気は多い。子どものころからの食習慣が将来を決めることになる。体系的な全体計画と継続指導で望ましい食習慣を身につけさせたい。 そのために正しい知識に基づき、栄養や食事の取り方などについて、児童生徒自身が判断し、食をコントロールしていく自己管理能力が必要になってくる。また、食アレルギーなどへの対応もある。その指導の担い手が栄養教諭だ。だが、その配置はきわめて少ない。養護教諭同様、各校に配置され「食育」を充実させたい。

関連記事

powered by weblio


SBMへ投稿:

固定リンク:http://www.y-mainichi.co.jp/news/15502/