2月
25日
2010

八重山の白保に埋まっていた頭蓋骨は2万年前…

Category: 不連続線



 八重山の白保に埋まっていた頭蓋骨は2万年前のものだという。直接骨本体から測定されたものでは国内最古の人間なのだそうだ▼本紙でこのニュースを読んだ時、私はすぐ、この人たちは何をたよりに日々を過ごしていたのだろう。どんな思いで生きていたのだろうと考えた▼以前の私は「寂しさ」について想像したことがある。寂しさとは例えば日本全国に人間が何万人程度しかいなかった時の人々の感情、1カ所にはせいぜい数家族程度しか住んでいなかった時の人々の心の動き▼その寂しさに耐えるため、その寂しさをなぐさめるため人々は神(かん)を求め、もろもろの神事や芸能はその寂しさをまぎらわせるためつくり出されてきたのではないかと▼2万年前と言えば寂しさはさらに極まり、この白保の人たちは必ずや御嶽(オン)をひらき、高いクバの木に降りる神を感じていたにちがいない。そして神遊び(カンアサビ)だけがこの人たちの生きるよすがであったのだ▼あまりにも無力であるがゆえにその寂しさや自然への恐れは骨身に徹し、その骨や頭蓋骨が発見され、「わたしたちは2万年前、この地にさびしく生きていたのだよ」とメッセージが伝えられる。何という驚くべき通信、何という驚くべき事実。いのちの連続性が深々と身にしみわたる。(八重洋一郎)

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