八重山毎日新聞社は22日までに、石垣市長選に立候補している新人の中山義隆氏(42)と現職の大浜長照氏(62)にインタビューし、新空港開港に向けた取り組みや経済対策、多選問題、港の軍事利用などに対する考えを聞いた。
■中山義隆氏 市民目線の政治を・「すぐやる課」を設置
●立候補の動機は。
長期政権によるマンネリ化と行政運営のスピード感のなさ。後退する経済、落ち込む観光に対して何の手も打っていない。現市政を改革すべきだ。
●多選の弊害は。
マンネリ化のほか、一部の業者とのなれ合い、しがらみによる偏った市政運営がある。
●相手候補との違いは。
私は市民目線で政治を行う。私にはすぐやる行動力がある。行財政改革でムダを省く。「すぐやる課」を設置して市民の苦情にすぐ対応する。「わいわいがやがや市民会議」を設置し、市民の意見やアイデアを市政運営に生かす。
●現空港跡地利用と新空港開港に向けた取り組みは。
現空港跡地利用はまちの将来を左右する可能性がある。使えるのは新空港開港後2、3年になるだろう。比較的長いスパンで考えないといけない。短絡的に結論を出すことはない。
新空港開港に向けては、大量に入ってくるだろう観光客、資本に対して、どういう受け皿、受け入れ態勢をつくるか。また、中型機の就航で大量輸送ができるようになる農水産物、加工品等を本土の市場にどう売り込むか。3年以内に取り組む。
●自衛隊・米軍の空港、港湾使用については。
自衛隊は国の機関なので、警備活動の休息や燃料補給も認めていく。ただ、軍事利用には反対。米軍に関しては市民感情に配慮して対応する。自粛を求めるのが適当と思う。
●米海軍の強襲揚陸艦エセックス(2008年11月)での「貴賓イベント」に参加しているが、整合性は。
理由は二つ。国境の島として周辺海域の状況を把握したいというのがひとつ。もうひとつは、強襲揚陸艦は実はどんなところにも船をつけられ、災害救助にも使われている。スマトラの大津波のときにも救助に行った。将来、石垣で巨大地震や大津波が起き、港が機能しなくなったときに救助に向かえる可能性があるのはエセックスなので、どういう船か自分の目で確かめたかった。実際、脳外科手術ができる病院があり、ベッドも2000床あった。災害救助の船として使えるのを確認した。市民の生命を守るのが政治家の役目だ。
●観光客の落ち込みなど経済対策が課題となっているが。
1社1社訪問して売り込みに行く。ツアー会社から要望を直接聞き取り、それを作り上げる。また、自然エネルギーは国が取り組んでいるので市は早急に手を挙げてやるべきだ。海洋基本法を利用して国境離島で生きていくための予算、事業を要求していく。
●公明推薦で良い影響が出ているか。
平和を標榜する党の推薦なので、中山の平和行政の取り組みを鮮明にできる。私の信頼度を高めることになったと思う。
●有権者にPRを。
マンネリ化した市政運営よりも、新しい未来に向けて夢と希望をもち、日本一幸せあふれるまち石垣市を、市民とともにつくっていきたい。
■大浜長照氏 憲法生かしたまちづくりを・老健施設を2倍に
●立候補の動機は。
憲法を生かしたまちづくりを今後も継続したい。新空港の完成と完成後のビジョンをつくっていきたい。これが大きな動機。
●多選問題は。
実績が評価されたからこそ、市民から支持され、当選の栄誉を得ている。常に洗礼を受けてきた。有権者が中身をみた上で判断すべきことだ。
●相手候補との違いは。
私は今の憲法を大切にするまちづくりをしてきた。自然保護や景観保護も大事にしている。老健施設などを2倍にするなど高齢者社会への対応が違うと思う。十分に対応し、ドクターの立場を生かしたい。
●現空港跡地利用と新空港開港に向けた取り組みは。
跡利用は南側に県立病院の誘致など医療福祉ゾーンをつくる。北側はフルスト原遺跡を活用して史跡公園にして美術館、博物館を整備する。中央部はスポーツ施設をつくって冬場のキャンプ地にしたい。
新空港開港に向けては、中型機の就航により観光客が将来的には現在の倍近くになると想定している。受け入れ施設が必要になるので、自然や景観と調和した質の良いリゾートを積極的に誘致して開港に備えたい。
●自衛隊・米軍の空港、港湾使用についての対応は。
非核平和都市宣言、平和港湾宣言もしており、基本的に反対だ。自衛隊の不発弾処理などは認めている。過密な空港、港湾なので軍事的な利用には反対する。
●自衛隊を認めているのなら休養などでの使用も認めてよいのではないか。
その考えには反対だ。休養にしても保養にしても基地に戻ればいいこと。空港や港湾にキャパシティー(受け入れ容量)はない。空港は県管理だが、明確に断らないといけない。
●観光客の落ち込みなど経済状態が悪いと言われているが。
建設業協会が要望する最低制限価格の上限95%は急いでやる必要がある。観光客の落ち込みは新型インフルや世界の不況が影響したが、今年は回復すると思う。新たなマーケット開拓が必要になるので台湾、中国の市場開拓が急がれる。また、中小企業振興条例を制定して支援したい。農業立市も行い、たい肥センターを有効活用して土づくりを徹底させ、生産力を上げたい。水産では大規模な陸上養殖施設を実現したい。4年間で石垣市を食糧供給基地にしたい。
●公明が支持しない影響は。
公明党は憲法9条を大切にする。支持母体の創価学会は、憲法9条を大事にするのが誰かわかっている。従来通りの支持は得られると思う。
●有権者にPRを。
例えば日経グローカルの社会度分野で1位になったことは、まちづくりが成功した表れ。客観的な評価を得た。業績、実績をみてほしい。新空港でさらに発展するまちづくりをしたい。主に台湾の経済圏と連携することで豊かなまちが展望できる。