2月
20日
2010

積極性欠ける八重山3市町

Category: 社説



意欲を持って多彩な事業に取り組もう

■生きた情報収集に期待
 国内外を取り巻く不況の影響が、とりわけ苦しい経済状況にある沖縄に深刻な事態をもたらしている。若者層を中心にした厳しい雇用状況が、若い世代の気力をなえさせ、地域の活力を奪っていることは否めない。しかし、今日の重苦しい事態をただ嘆いてばかりいていいのか。地域の活力を多少なりとも取り戻す手だてはないものだろうか。

 八重山を元気にするために、行政、市民がアンテナを張り巡らせ、さまざまな生きた情報を得て地域特性にあった事業を取り入れていければ、いささかなりとも明るさを取り戻すことが可能である。
 豊かな自然環境に恵まれた八重山の地域性は厳しさに欠ける、ということが言われ、人々もそののんびりした気風を容認しているように思えるが、地域振興に役立つ情報は、向こうから歩いてくる訳ではない。必死な眼力を備え、自らの目で見、耳で聞き、手で触れて初めて手に入れることができるのである。

 意欲的な目で見れば、地域振興のために活用できる情報は少なくない。特に、市町の職員には、国や県などが進めている多様な事業について、地域の皆さんに情報提供し、積極的に参加してもらう責務が課せられていることを、いま一度肝に銘じてもらいたい。

■対米協事業の積極的な活用を
 例えば、(社)沖縄県対米請求権事業協会(会長・仲井真弘多沖縄県知事)は、「文化の高揚および地域振興を通じて県民の福祉の向上を図る」ことを目的として、地域振興に活用できる多様な事業が用意されているが、八重山地域における行政サイドの取り組みが弱いために、事業実績が少ない。

 戦後、米軍による土地の強制接収が行われたが、被害者住民への補償がなされなかったため、日本政府が120億円の特別支出金を支出し、県はそれを原資として基金を作り、1981年に対米請求権事業協会を設立した。同協会は、基金の果実を活用して地域振興、学術文化振興等に寄与する多彩な事業を展開しているが、残念ながら八重山での事業実績が乏しい。
 例えば「学力対策支援事業」は、恵まれない環境にある子供たちの教育環境を改善し、小中学生の学力向上のため塾を運営する「ユイマール塾」事業への助成を行っている。また、市町村を対象に、多様なテーマで調査研究のできる「地域政策研究事業」などを進めているが、八重山から全く応募がない、と聞く。

■各市町村に文書で通知
 「沖縄提案百選事業」は「私の成功体験」、「書いて残そう島々の言葉」などをテーマに県民一般から作品を公募し、採用された作品を集めて刊行する事業だが、やはり八重山からの応募者が少ないようだ。その他にも、主要観光コースの沿道を花で飾る花いっぱい事業など、多彩なジャンルの事業メニューが用意されているが、厳しい予算環境に置かれているはずの八重山地域の市と町から積極的な取り組みが見られない、と関係者の嘆息が漏れ、聞こえてくるのである。
 これら事業の情報は、県内各市町村にくまなく文書で通知されているし、インターネットでも公平に発信されている。きめ細かに聞く耳と真剣な眼力があれば、地域住民の福祉に役立つ事業を把握し、実施するのは困難ではないはずだ。関係行政機関の熱意ある取り組みを期待したい。

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