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減車しなくて良いですか

経営者、乗務員に厳しいタクシー業界の今
■業者に反対も多く  供給過剰になっているタクシーの減車問題が全国で急浮上している。02年の規制緩和以来、増車に次ぐ増車の一方、景気後退で利用者が減り現在全国のタクシー業界は、経営者も乗務員も売り上げが減少し厳しい状況が続いている。こうした中、県ハイヤー・タクシー協会八重山支部(平良祐助支部長、加盟15社)が、県協会の方針を受け、減車の検討に乗り出した。  県協会は、昨年10月のタクシー事業適正化・活性化特別措置法の施行を受けて設置された沖縄本島を対象にした適正化協議会(会長・勝山潔沖縄総合事務局運輸部長)で、適正な台数が2750~2980台と提示されたことから、加盟社に今年6月までに2~3割、全体で約650台の減車を要請した。  決して強制でなく、あくまで各社の自主的経営判断によるものだが、減車の届け出は今年に入って加速。昨年は提言の10月以降21社64台が、今年は1月下旬までに29社50台もあったという。これだけ減車があるということは、それだけ事業者が経営環境の厳しさを痛感していることを物語っている。  これに対し八重山支部は、それぞれ加盟社の思惑認識の違いもあって反対も多く、前途はかなり厳しいようだ。  しかし果たして八重山はそれで良いのか。減車しなくとも良いというのだろうか。 ■売り上げが大幅減少  適正化・活性化特別措置法は、利用者が減少の一方で規制緩和でタクシーは増車を続け、売り上げ減で事業者は経営が悪化。乗務員は賃金が大幅に減少するなど長時間労働に追い込まれているケースもあることから、こうした問題点を解消し地域の重要な公共交通機関の機能維持を目的に施行された。  これを受けて現在全国各地で、タクシーの需給バランス回復による事業者の経営改善と乗務員の待遇改善を目的に官民合同の調整会議が設置されている。これらの地域は激しい供給過多にあることから国が特定地域に指定。県協会も同地域に指定されていることから協議会が設置され、昨年10月減車の方針や活性化策が示された。  八重山は特定地域に指定されているわけではないが、しかし業界の現状は厳しく、独自に需給バランスや業界の活性化策を論議する調整会議や協議会などの組織があっても良いだろう。  市内で稼働しているタクシーは11社280台あるようだが、乗務員らの話だと、多く保有している会社ほど遊休状態にあるタクシーが多いという。 ■独自の調整会議が必要  八重山はこうした供給過多に加えレンタカーも08年3月現在、法人47業者、個人37業者で1800台余と多く、さらに家庭も生活防衛のため酒席もマイカーで送り迎えするなど、売り上げはずいぶん落ち込んでいるという。この結果乗務員の多くが「今の売り上げでは生活は困難」と減車を訴えている。  減車すると利用者にとっても現在のようにいつでも乗れる状況が確保できるのか、中高年の雇用の場がその分減るなどの問題もあるが、しかし現状は経営者、乗務員の双方にとって決して好ましい状況ではないはずだ。  かといって今の状況では業者が自主的に減車に踏み切るのは難しい。それでも自助努力するのか、あるいは業界代表に市や県、総合事務局など官民合同の第三者機関の調整会議などにゆだねるか。バスとともに地域の重要な公共交通機関であるタクシー業界の健全な発展のためにも、業界と行政側が連携しての積極的な対応を望みたい。
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