1月
27日
2010

結束が県を動かす力に

Category: 社説



美ぎ島・美しゃ市町村会が始動

■初の先島市町村連合
 昨年暮れ、宮古・八重山両圏域が抱える共通の課題を調査研究し、解決を図ろうと両圏域の全5市町村長で構成する「美(か)ぎ島・美(かい)しゃ市町村会」が設立された。そしてさっそく年明けの今月14日、同市町村長らが県と県議会を訪れ、仲井真弘多知事と高嶺善伸県議会議長に会の設立を報告するととともに、離島振興策の拡充強化を要請。さらに国の沖縄総合事務局にも同様の支援を訴えた。

 今までお隣同士でなぜこういう組織ができなかったのかが不思議だが、遅ればせながらも宮古・八重山の市町村が初めて連合組織を作り、結束して課題解決に当たることになったのは喜ばしいことであり、今後の活動を大いに期待したい。
 確かにこれまで宮古、八重山はスポーツなど民間の交流は多いものの、行政レベルの連合組織設立は今回が初めてであり、その意義は大きい。
 名称は「先島」が沖縄本島中心の視点であるとして、「美しい島」を宮古の「美ぎ島」、八重山の「美しゃ」の方言で命名したようだ。

■情報交換を密に
 今回連合組織として初めて県に要請したのは、▽東アジア圏域と先島圏域との人的・物的交流の推進▽有村産業倒産後途絶えている旅客航路の強化と整備▽ひっ迫する離島医療対策の抜本拡充強化▽離島における環境対策の強化▽観光振興策の強化など6項目。県が本年度中に策定予定の「21世紀ビジョン」に盛り込むことを求めた。

 同会では毎年5月に総会を開き、県や国に要請行動を行うことになっているが、会として何をすべきか共通課題を掘り起こし、地道にしっかりと圏域の振興が図れる活動を求めたい。
 こうした組織はなかなか船出は勇ましいが、結構中だるみになりがちなのもまた事実だ。3市町で構成される八重山広域圏事務組合も一時、解散が論じられたほどであり、有名無実化しないためにもしっかりと着実に成果を上げていくべきだろう。そのためにも両圏域が情報交換を密にすべきだ。

■大きい結束の力
 八重山出身の高嶺県議会議長が言うように、「離島が束になってかかることで県や国を動かす力となり、それによって離島の諸問題も解決が図れる」ものであり、そういう意味では沖縄本島周辺の離島もすべて網羅しての「離島大連合」があってもよい。

 時代は地方分権、道州制に向かっている。財政もますます厳しくなる一方であり、宮古、八重山の離島経済を支えてきた公共事業も先細りだ。八重山でいえば新石垣空港完成後の大型プロジェクトは見えない。宮古も伊良部架橋のあとはどうなるのか。それだけに共に知恵と結束が必要だ。
 国防や国土保全に離島の役割を重視した「海洋基本法」をどう宮古、八重山の振興に生かすか、知恵の出しどころだ。安定的な医師確保のために琉球大学に両圏域出身者の入学枠確保も統一して取り組むべき課題だろう。

 宮古は伊良部島が普天間飛行場の移設候補に挙がっているが、これは両圏域が統一して反対行動に取り組めないものか。有村産業の倒産後旅客船が途絶えた経済的損失も大きい。国の支援を受けて先島航路を再開させ、観光面で両地域の良さを生かした船舶での周遊プランがあってもよい。
 両地域の課題は多いし、お隣さん同士が連携しての連合組織ができて本当によかったといわれる、そんな活動・成果を期待したい。

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